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訪問看護で使えるソフト・システムとは?導入メリットやソフトの選び方をご紹介

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訪問看護で使えるソフト・システムとは?導入メリットやソフトの選び方をご紹介
株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部

株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部

看護師や介護事業所の運営経験者、訪問看護の請求ソフトや電子カルテの導入支援経験者など、医療や介護、訪問看護の現場理解が深いメンバーが在籍。訪問看護ステーションの開業、経営、日々の看護業務に役立つ情報を発信します。

目次

訪問看護ステーションの業務は、利用者への看護業務だけではなく、レセプト請求や帳票などの書類作成業務など様々です。さらに経営者の方は、職員の勤怠管理や給与計算、会計管理等の業務も行う必要があります。
たくさんの業務に追われる中でも、訪問看護の本来の目的である「利用者に向き合い、本質的なケアを提供したい」と考える方は多いのではないでしょうか。

その想いの実現のためにも、訪問看護ソフト・システムを活用し、業務の効率化や生産性の向上を図りましょう。
この記事ではこれから訪問看護ステーションを開業する方や、現在訪問看護ステーションを経営・管理されている方に向けて、訪問看護で使えるソフト・システムの機能や導入メリット、ソフトの選び方について詳しく説明しています。

訪問看護で使えるソフト・システムとは?

訪問看護で使えるソフト・システムとは、訪問看護ステーションの「レセプト作成・請求業務」、「訪問看護計画書等の帳票作成業務」、「利用者情報の管理」、「職員のスケジュール管理」などの業務を行うソフトウェア(システム)のことを指します。

訪問看護ソフトは様々なメーカーが発売しており、中には一部の機能に特化したものや、複数の機能を総合的に提供しているソフトもあります。一部の機能に特化した訪問看護ソフトには、レセプト作成・請求機能のみのソフト、訪問看護記録書Ⅱの作成に特化したソフト、職員のスケジュール管理機能のみに特化したソフトなどがあります。

一方で、複数の機能を総合的に提供しているソフトは、これらの主な機能を全て兼ね備えているソフトがあり、主たる機能が揃っているだけでなく経理・財務・人事労務といった、事業所の経営に必要なバックオフィス機能も備えているソフトもあります。

レセプト作成・請求機能

レセプト作成・請求機能とは、利用者に提供した訪問看護サービスの報酬を、利用者と審査支払機関である国民健康保険団体連合会(国保連)と社会保険診療報酬支払基金(支払基金)に請求するための請求書や明細書、領収書を作成・伝送する機能です。

記録・計画書・報告書等の帳票作成機能

訪問看護ソフトの帳票作成機能では次のような帳票を作成します。

  • 看護記録書Ⅰ(フェイスシート・アセスメントシート)

  • 訪問看護記録書Ⅱ

  • 訪問看護計画書

  • 精神科訪問看護計画書

  • 訪問看護報告書

  • 精神科訪問看護報告書

  • 情報提供書Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ(市町村等宛、保険所長等宛、学校等宛、医療機関宛)

  • 褥瘡対策計画書

  • 看護サマリ

  • 業務日報

  • 経過記録

  • サービス提供票・別表

利用者情報管理機能

利用者情報管理機能で管理する情報には次のようなものがあります。

  • 基本情報(氏名、生年月日、住所、緊急連絡先等)

  • アセスメント情報(傷病・療養状況、病歴、服薬情報、ADL等)

  • 医療保険証(有効期間、保険者、所得区分、負担割合等)

  • 介護保険証(適用期間、要介護度、保険者、負担割合、ケアマネ情報等)

  • 公費情報(適用期間、制度名、負担者番号、受給者番号、上限額等)

  • 加算取得同意情報

  • 指示書情報(有効期間、医療機関情報、傷病名、疾病コード等)

  • 関係事業所情報(他の訪問看護事業所番号等)

  • 利用料を引き落とすための口座情報

これらの利用者情報は、個人情報に該当するだけでなく、レセプト業務に必要な情報であり、期限が切れや更新があるので適切な管理が必要です。

訪問スケジュール管理機能

訪問スケジュール管理機能は、利用者への訪問予定と職員のスケジュールを管理し、シフトを作成する機能です。訪問看護は利用者の容体の変化で訪問予定が変わることや、オンコールで緊急訪問の予定が急遽入ることがあり、シフトの調整が必要な場面があります。訪問看護ソフトの訪問スケジュール管理機能で、各職員のスケジュールやシフトを把握し、シフトを調整することができます。

経営支援(バックオフィス)機能

訪問看護ステーションの経営全体を支援するための機能には、次のようなものがあります。

  • 勤怠管理(打刻、労働時間集計、有給取得申請等)

  • 給与計算(所得税・社会保険の計算、給与明細発行等)

  • 経理業務(経費申請・承認機能等)

  • 会計管理(仕訳、キャッシュフローレポート作成機能等)

  • 金融支援(口座振替、給与振込等)

  • 購買支援(スマホ、タブレット、車両、オフィス家具等の販売・レンタル・リース)

訪問看護にソフト・システムを導入するメリットとは?

では、訪問看護ソフトを導入するメリットをご紹介します。

レセプト業務の効率化

訪問看護ソフトを導入すると、日々の訪問看護記録がレセプトの実績に反映するので、記録を実績に転記する作業が不要になり、大幅にレセプト業務を効率化することができます。転記作業では、転記漏れや入力を間違えるといった人為的なミスが発生してしまうので、ミスをなくすことはとても重要です。

また、介護保険の請求では、インターネット請求(伝送)に対応していて、利用者負担金の口座振替サービスと連動していると、よりレセプト業務を効率化することができるでしょう。

また、レセプトに必要な利用者情報の登録漏れや、期限切れに対するアラート機能のある訪問看護ソフトは、より確実にレセプト業務を行うことができ、返戻防止にも繋がります。

看護記録や帳票作成の効率化

帳票作成時に利用者の基本情報や看護記録内容が連動したり、過去に作成した書類をコピーする機能がある訪問看護ソフトを利用すると、手書きやExcel・Wordなどでの作成よりも大幅に業務が効率化できます。

電子カルテ機能のある訪問看護ソフトを利用すれば、看護記録や訪問看護計画書・訪問看護報告書などの帳票作成業務を外出先で行うことも可能です。
また、作成した帳票の管理を訪問看護ソフトの中で行うことで、印刷したりファイリングする手間も削減し、事業所のペーパーレス化を進めることができます。

情報やデータの共有ができる

訪問看護ソフトの中で利用者の情報や状態、写真などのデータを共有ができることもメリットのひとつです。
近年はクラウド型の訪問看護ソフトが主流になっているため、インターネット上でデータの共有が可能です。

職員間で利用者の状態や申し送り事項の共有を行う際、訪問看護ソフト内でリアルタイムに情報が閲覧でき、電話やメモでの申し送りよりも効率化します。情報共有に写真を活用することで、文章では伝わりにくい褥瘡の状態やリハビリの経過がより簡単に、分かりやすく共有できます。ケアマネジャーや主治医への共有の際も便利です。

経営分析ができる

訪問看護ソフトにはレセプトのデータが蓄積されるため、データを経営分析に活用することもできます。毎月の売上額や訪問件数、要介護度別の利用者人数、加算の取得件数などのデータを出力し、職員の稼働率や生産性を把握したり、職員の採用や利用者獲得の営業など、経営上で必要なアクションの判断に活用することができます。

生産性の向上

様々な機能を活用することで、訪問看護ステーション全体の生産性を向上することができる、というメリットがあります。具体的には、レセプト業務や帳票作成が効率化されて残業時間が削減し、人件費が抑えられたり、紙の業務を減らすことで紙代・印刷代・FAX代等のコスト削減が可能です。

また、クラウド型の訪問看護ソフトや電子カルテとタブレットやスマホを導入することで、利用者宅への直行直帰といった働き方が実現し、職員の労働時間・環境が改善され、定着率の向上や離職率の低下に繋げることもできるでしょう。

訪問看護ソフト・システムの選び方は?

訪問看護ソフトの導入を検討する際は、次の4つを確認しましょう。

機能を確認する

レセプト作成機能やスケジュール管理機能など1つの機能に特化したソフトか、訪問看護ステーションの経営全体をカバーする機能がついている訪問看護ソフトが良いのかは、導入したい訪問看護ソフトに求める機能や効果を把握し、検討しましょう。

サポート内容を確認する

サポート内容は事業所への訪問やZoom(WEB会議システム)やメール等のオンラインなど、訪問看護ソフトを提供するメーカーによって様々です。レセプト業務に関する問い合わせが多くなる月末月初にカスタマーサポートへの電話が繋がりやすいかといった点も確認しましょう。

料金(価格・費用)を確認する

料金も訪問看護ソフトによって様々です。主に次の項目の価格や条件を確認しましょう。

  • 初期費用

  • 基本料金

  • 保守・サポート費用

  • 法改正時のアップデート費用

  • 解約違約金(最低契約期間)

  • 機能追加によるオプション料金

使いやすさを確認する

1つの機能に特化した訪問看護ソフトではその機能自体の使い勝手や操作性を確認すればよいですが、複数の機能がある訪問看護ソフトを検討する際は、レセプト機能や帳票作成、スケジュール管理機能などを個別に確認する以外にも、それぞれの連動性も確認するとよいでしょう。訪問看護記録がレセプトの実績や報告書などの帳票に連動すれば、より各業務が効率化し、生産性の向上に繋がります。

自社の訪問看護ステーションにとって使いやすいかどうかは、訪問看護ソフトのホームページやパンフレットだけでは分かりません。必ずデモンストレーションを受け、実際のソフトの機能の使い勝手を確認して、導入前の不明点を消化するようにしましょう。

訪問看護におすすめのソフト・システムは「カイポケ訪問看護」

「カイポケ訪問看護」は、今回ご紹介した訪問看護ステーションの経営全般をカバーする機能を兼ね備えたソフトです。医療・介護保険のレセプト作成・請求機能はもちろん、シフトや利用者情報、写真の共有ができる電子カルテをはじめ、経理・財務・人事労務機能まで、訪問看護ステーションの経営を支援する40種以上のサービスを提供しています。

「カイポケ訪問看護」は職員数や訪問件数を問わず月額25,000円という定額料金で、疑問や不安を一緒に解決する訪問看護に特化したカスタマーサポートが、医療・介護保険請求や電子カルテの活用を総合的に支援しています。多くの訪問看護ステーションに選ばれ、全国の訪問看護事業所数の約1/3を占める5,000以上の事業所にカイポケをご利用いただいています。

まとめ

今回は訪問看護で活用できるソフト・システムについて、主な機能やメリットをご紹介しました。訪問看護の利用者数は、医療保険で約28.9万人、介護保険で約55.4万人(令和元年6月)でその数は年々増えていると言われています。ますます需要が高まる訪問看護ステーションにとって、業務の効率化や生産性の向上は欠かせない取り組みとなっています。

これから訪問看護ステーションの開業をお考えでソフトの導入を検討している方や、現在利用している訪問看護ソフトを見直したいという方は、是非一度「カイポケ訪問看護」をご検討ください。

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