訪問看護を立ち上げたときの年収は?訪問看護の開業は儲かるのか徹底解説!
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株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部
看護師や介護事業所の運営経験者、訪問看護の請求ソフトや電子カルテの導入支援経験者など、医療や介護、訪問看護の現場理解が深いメンバーが在籍。訪問看護ステーションの開業、経営、日々の看護業務に役立つ情報を発信します。
目次
訪問看護ステーションを開業したいという方の中には、「年収はどれくらいになるのか?」「訪問看護は儲かるのか?」といった疑問を持つ方はいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、訪問看護ステーションを立ち上げたときの年収やそもそも訪問看護事業が儲かるかどうかを収支差益という指標を用いて解説します。また、開業するときにかかる費用について解説しています。
訪問看護ステーション立ち上げ時の年収は400~1,000万円
訪問看護ステーションで開業した場合の年収は、おおよそ『400万円〜1,000万円』ほどが目安になるでしょう。これは、開業を検討しているエリアのニーズや競合の数、自ステーションの戦略などに大きく左右されます。複数のステーションを経営することで、1,000万円を超えるケースもあります。一方で、開業しても思うように売り上げが立たず、数年で廃業してしまうケースもあります。
訪問看護の需要と廃業率
そもそも、近年の訪問看護の市場の動向がどのような推移をしているのか見てみましょう。
訪問看護の需要は高まっている
訪問看護では、利用者数は年々増加傾向にあります。高齢者数が最多になることが予測される2040年ごろには、介護の需要のピークを迎え、その後は減少に転じると言われています。
また、人生の最期を「自宅で迎えたい」と希望する高齢者も増加しており、在宅看取りの支援を担う訪問看護への期待は高まっています。
これらのことから、訪問看護サービスの需要は今後も増えていくことが予想されます。
一方で、訪問看護の廃業率は比較的高い
市場が伸びている一方で、廃業を余儀なくされている訪問看護ステーションも少なくありません。2023年度の全国の訪問看護ステーションの廃業数は701か所であり、廃業率は約4.4%となっています。2023年の日本国内の中小企業全体の廃業率は3.9%であり、日本全体の事業と比べた場合にも訪問看護ステーションの廃業率は高いことがわかります。
(参考:令和6年度(2024 年度)の中小企業の動向p.106|中小企業庁)
訪問看護ステーションの平均売上と収支差益率
訪問看護ステーションの平均売上は約300万円
令和5年度の介護事業経営実態調査結果によると、訪問看護ステーションの月間平均の売上(介護報酬、介護予防含む)は約300万円で、看護職員常勤換算数は平均5.0人となっています。
訪問1回あたりの売上は約8,490円で、月の訪問件数は362回が平均です。
訪問看護ステーションの平均収支差率と推移
収支差率とは、売上に対して利益がどれくらい残ったのかを表す経営指標のことです。黒字の場合はプラス、赤字の場合はマイナスになります。
2022年度の訪問看護の平均収支差率は5.8%です。同年、居宅介護支援では4.6%、通所介護では1.4%、訪問介護では7.7%であり在宅介護サービスの中で訪問看護は比較的高いです。

(参考:厚生労働省介護事業経営実態調査結果の概要)
※平成29年度、令和2、5年度をもとにグラフを作成。税引後収支差率はコロナ関連補助金及び物価高騰対策関連補助金を含む。
訪問看護ステーションの売上に影響する要素
訪問看護ステーションの売上に大きく影響するポイントを押さえておくと良いでしょう。
報酬改定による単価や加算の変化
訪問看護では、「介護保険」と「医療保険」を適用する場合があります。
介護報酬(介護保険)では、3年に1度、診療報酬(医療保険)では、2年1度、報酬改定があります。そのため、単価や加算などの金額が変動する可能性があることを頭に入れておくと良いでしょう。
訪問エリアの高齢化率・人口の推移と競合状況
開業を予定しているエリアでの高齢者人口や今後の推移、競合である他社の訪問看護ステーション数を確認し、今後の訪問看護ニーズを見立てておくとよいでしょう。
自身の経営戦略・営業力
訪問看護には、リハビリ、精神科、小児などの特化型の訪問看護があります。自分の訪問看護ステーションの強みを明確にして戦略を立てると良いでしょう。ケアマネや病院、地域包括など関係各所への営業力も必要です。
開業時に必要な資金は約500万~1,000万円
開業するエリアや規模によって変わりますが、訪問看護の立ち上げには約500万~1,000万円かかると言われています。主な内訳は以下です。
人件費
事務所等にかかる費用
設備・備品等に関わる費用
運転資金
訪問看護を開業・運営するためには、『人員基準』、『設備基準』、『運営基準』に定められる項目を満たす必要があります。そのため、人員基準を満たす人数の看護師等を採用し、設備基準を満たす事務所の賃貸契約し、設備・備品を調達し、運営基準を満たす各種規程やマニュアルを整備することになります。
立ち上げに失敗しないための準備
訪問看護ステーションの開業を検討する上では、様々なリスクが起こりうることを念頭に準備しましょう。
運転資金の確保
運転資金は、約3~5カ月分の収入を目安に準備するのが良いでしょう。
また、余裕を持った事業計画を作成することが重要です。
運転資金に関連する起こりうるリスクの例
融資の審査が通らず、自己資金額が増えてしまった
物価高や光熱費の値上げにより、経費が増えてしまった など
スタッフの確保
一緒に訪問看護を立ち上げる仲間は、あなたの想いに共感してくれる方を選ぶと良いでしょう。採用時点で、どんな人に応募してほしいのか、あなたの訪問看護ステーションが理想とする応募者のイメージを描いておくと良いでしょう。
人材採用に関連する起こりうるリスクの例
採用がうまく進まず、開業時期が遅れてしまった
早期離職してしまい、人員基準を満たせなくなってしまった など
専門家への相談や開業サポートを利用する
ほとんどのひとは初めて開業することでしょう。
訪問看護に特化した開業のサポートを受けることで、開業に成功している先輩の事例や事業計画の作成方法などのアドバイスを受けることができます。
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看護師資格を生かして起業できるビジネスの種類
看護師資格を生かせるビジネスは、訪問看護ステーションの経営以外にも以下のような種類があります。ご自身の資格や志向、ライフスタイルに合わせて選ぶと良いでしょう
デイサービス(通所介護)
高齢者グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
ナーシングホーム
サービス付き高齢者向け住宅・有料老人ホーム
障害者グループホーム(共同生活援助)
生活介護(障害福祉サービス)
放課後等デイサービス・児童発達支援
アロマセラピー・アロマテラピー
WEBライター
まとめ
訪問看護ステーションの立ち上げに成功すれば、年収アップを期待することができます。その一方で、スタッフの採用がうまくいかず開業ができないなどのケースもあるため、余裕をもった事業計画を作成することが重要です。
カイポケ訪問看護では、訪問看護ステーションの開設に関わるサポートを行う『開業支援サービス』を無料で提供しています。専任のスタッフが対応するので、開業に関する疑問を解消したい方は、ぜひご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました
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