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訪問看護ステーションをフランチャイズで開業するメリット・デメリットとは?

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訪問看護ステーションをフランチャイズで開業するメリット・デメリットとは?
株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部

株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部

看護師や介護事業所の運営経験者、訪問看護の請求ソフトや電子カルテの導入支援経験者など、医療や介護、訪問看護の現場理解が深いメンバーが在籍。訪問看護ステーションの開業、経営、日々の看護業務に役立つ情報を発信します。

目次

フランチャイズとは、認知度の高いブランドや事業の名称を使用して事業を運営できる権利や経営・運営に係るノウハウを得て事業を行う対価として、加盟金を支払う契約を指します。フランチャイズは、レストランやコンビニエンスストアでよく取り入れられているビジネスモデルですが、訪問看護ステーションにおいても展開されています。

この記事では、「自分はビジネス未経験だからフランチャイズがいいのかな・・?」「フランチャイズの良い点、悪い点の両方を知った上で検討したい!」とお考えの方に、フランチャイズの仕組みやメリット・デメリット、フランチャイズ以外の開業支援サービスについて詳しく解説します。

フランチャイズの訪問看護ステーションの経営形態・仕組み

訪問看護ステーションのフランチャイズは、ブランド名を使用し、開業・運営のサポートを受ける対価として、初期費用としての「加盟金」、月額費用としての「ロイヤリティ」を支払う仕組みで、ステーションを運営することになります。

加盟金制度とは

加盟金は、加盟時に支払う初期費用で、途中で脱退したとしても返還されない契約が多いようです。加盟金の金額は、加盟する団体によって差がありますが、数十万円〜数百万円ほどの金額が設定されています。

加盟金を払うことで、フランチャイズの一員としてブランド名やロゴを使用することができ、教育・研修の実施、物件選びのサポート、看護師等の採用サポート、法人設立のサポートなどを受けることができます。

ロイヤリティ制度とは

ロイヤリティは、事業を開始してから毎月支払う費用で、固定の金額や売上の数%などで支払い続けることになります。ロイヤリティは、固定の場合は数万円〜数十万円、パーセンテージの場合は5%〜10%ほどの金額が設定されています。

ロイヤリティを払うことで、ブランド名・ロゴの使用、経営・運営のサポートを受けることができます。

フランチャイズのメリット

ここでは、フランチャイズでの開業を選択した場合のメリットを3つ紹介します。

開業手続きの支援を受けられる

フランチャイズに加盟することで、開業に必要な手続きである法人設立や指定申請をフランチャイズ本部がサポートまたは代行してくれるというメリットがあります。開業手続きに時間を取られたくない、開業手続きに不安があるという方にとってはありがたいサービスとなっているでしょう。

経営・営業ノウハウを学べる

フランチャイズの運営元の多くは、経営に関する戦略策定や事業所運営に必要なマニュアルなど成功するためのノウハウを持っているので、加盟することでそれらのノウハウを得ることできることもメリットのひとつとなっています。これまでに人事、労務、会計などの経営に関する業務を経験したことがない方にとって、自身が行うべき業務・役割をわかりやすく理解できることもメリットを感じるでしょう。

また、看護師等は有効求人倍率が高く、採用に苦労することが多いので、人材採用を支援する基盤が整っているフランチャイズを選ぶことで、開業まで、そして運営後の人材確保の負担を減らすことができるでしょう。

知名度がある名称で営業がしやすい

フランチャイズ以外で訪問看護ステーションを開業すると、知名度がない状態からのスタートになります。一方で、フランチャイズの場合、知名度のある名称を利用して開業することができるので、地域の介護事業関係者や医療関係者から信頼を得やすいというメリットがあります。
多くのステーションはこの状態から運営を始めて、地域でサービスを提供しながら信頼関係を築き知名度を上げる、という過程を通ります。

このように知名度があるフランチャイズに加盟することは、利用者獲得のための営業においてプラスの要素となるでしょう。

フランチャイズのデメリット

ここでは、フランチャイズでの開業を選択した場合のデメリットを3つ紹介します。

費用負担が大きい

フランチャイズの場合は初期費用として加盟金が必要になるので、通常の開業資金にプラスして加盟金を用意しなければならないという費用負担がデメリットとして挙げられます。

また、事業を継続する限り、月々のロイヤリティを支払う必要があるので、継続的に費用の負担も発生します。

さらに、万が一フランチャイズ契約を終了する場合、契約内容によっては違約金が発生する場合があるので、それもデメリットとなっています。

独自の理念で運営することはできない

フランチャイズに加盟する場合は、運営元の示す経営理念や運営方針に沿って事業所を運営するように定められています。訪問看護ステーションの経営や運営に慣れてきた段階で、精神科訪問看護の対応もできるよう事業を広げたいと思ってもそれが運営元の方針に沿わない場合は進められない場合や、別の介護事業を始めたいと思っても実現できない場合があります。

このように、ご自身の経営に対する考えや思いが全て叶えられる経営方式ではないという点がデメリットとなっています。

ブランドイメージの影響を受けやすい

名称が有名であればあるほど、他のフランチャイズ店舗での不祥事やフランチャイズ本部の経営悪化など、万が一のことがあった場合に受ける影響が大きくなることがデメリットとして挙げられます。自身のステーションが地域での信頼を獲得し、成長していたとしても、他のフランチャイズ店舗の風評・マイナスイメージが影響することも理解しておきましょう。

フランチャイズで開業するまでの流れ(通常の開業の流れとの違い)

フランチャイズで開業する場合、通常の開業の流れと違う部分がありますので、その違いについて詳しく見ていきましょう。

1.フランチャイズに加盟するための審査を受ける

フランチャイズに加盟の場合は、法人設立等の手続きとは別に、フランチャイズ運営元による審査を受けます。

運営元によって審査内容は異なりますが、加盟金を含む開業資金を用意できるかどうか、面談を通して運営元の理念に沿った運営ができるかどうか、といった審査を受けることになります。面談の結果、フランチャイズの方針等に沿わないと判断されると加盟ができない場合もあるので注意が必要です。

2.フランチャイズの契約締結を行う

フランチャイズ加盟の審査を通過すると、フランチャイズの契約を結びます。

訪問看護ステーションのフランチャイズ契約の内容に同意し署名を行うとともに、加盟金の支払いを行います。

3.拠点の決定や理念は経営元に沿う

通常の開業の場合は、開業地域は自身で調査の上決定しますが、フランチャイズの場合は運営元の調査・方針に沿って拠点となる地域を決める場合があります。また、経営理念や営業方針なども運営元の考えに沿って作られているので、自身で決める必要がないことも通常のステーション開業との違いです。

フランチャイズ以外で開業支援を受ける方法

フランチャイズへの加盟は、初めて起業する方でも開業時のサポートを受けられることがメリットの一つですが、加盟金やロイヤリティなど費用負担が大きく、加盟するかどうかを悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは、フランチャイズに加盟をしなくても受けられる開業支援・サポートをいくつかご案内します。

1.開業・経営のスクールに通う

訪問看護の経営スクールは、開業までの手続きや事業計画書の作り方を経験者から学ぶことができます。半年ほどの期間で複数回の授業を受けられるスクールや、月額料金制で参加できるサロン形式のスクールも存在します。「まずは開業に向けた基礎的な知識を学習したい」という場合には、訪問看護の開業に関するオンラインセミナーを受けてみることも一つの選択肢です。

2.カイポケ開業支援サービス

開業の手続きや指定申請の方法や開業までのスケジュール管理、資金調達について支援してもらいたい方には、カイポケ開業支援サービスをおすすめします。

カイポケ開業支援では、開業までの手続き内容や職員採用、利用者の獲得など、専属のアドバイザーが開業を徹底的にサポートしてくれます。

フランチャイズ加盟以外の方法で、開業までの支援をリアルタイムに受けたい方におすすめの開業支援サービスです。

まとめ

訪問看護ステーションのフランチャイズ加盟は、開業までの支援体制や知名度を利用した運営ができることに加え、経営のノウハウを自身が学び、実践できるメリット等があります。一方で、初期の加盟金や継続的なロイヤリティの支払いなど、支出に関する懸念や、自分らしさを出したステーション経営を行いたいと考えている方にはデメリットがあります。

メリットとデメリットを把握した上で、フランチャイズに加盟して開業するのか、それ以外の方法で開業するのかを決めましょう。

この記事が、訪問看護ステーションの開業を検討されている方にとって少しでも参考になれば幸いです。

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