訪問看護の利用者数は増加傾向!2040年を見据えた事業を拡大するポイントを解説
更新日:
株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部
看護師や介護事業所の運営経験者、訪問看護の請求ソフトや電子カルテの導入支援経験者など、医療や介護、訪問看護の現場理解が深いメンバーが在籍。訪問看護ステーションの開業、経営、日々の看護業務に役立つ情報を発信します。
目次
我が国は超高齢社会に突入し、高齢者の人口は現在も増加し続けています。
高齢者の人口のピークは2040年ころと予測されていることから、今後も訪問看護の市場は拡大することが予測できます。一方で、生産年齢人口の減少、そして看護師の人手不足から訪問看護事業には課題もあります。
今回は、2040年を見据えた訪問看護市場の予測と事業を拡大するポイントについて解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
訪問看護利用者数の推移
訪問看護では、「介護保険」を適用する場合と「医療保険」を適用する場合があるので、それぞれの利用者数の推移を見ていきましょう。
介護保険の利用者数
介護保険の訪問看護利用者数は、2021年の調査によると全国で58万7,658人です。10年前の2011年は23万4,846人だったので、利用者数はこの10年でおよそ3倍に増加しています。
(参考:介護サービス施設・事業所調査 令和3年および平成23年|厚生労働省)
医療保険の利用者数
医療保険の訪問看護利用者数は、2021年の調査によると全国で12万6,633人です。10年前の2011年は4万9,425人だったので、利用者数はこの10年でおよそ3倍に増加しています。
(参考:訪問看護療養費実態調査令和3年および平成23年|厚生労働省)
このように、介護保険ならびに医療保険それぞれにおいて訪問看護の利用者数は3倍ほど増加しており、利用者数は増加の一方です。
訪問看護利用者数の今後の予測
訪問看護の利用者数は直近10年を見ると増加が著しいことが分かりました。それではこの先10年、20年を見据えるとどのように利用者の数は増えていくと予測できるのでしょうか。
ここからは、介護需要のピークとなる時期とその時期に起こりうる問題について解説します。
2040年~2045年に介護需要のピークを迎える
総務省統計局の「人口推計」によると、2023年1月時点の総人口は1億2,475万人で、そのうち65歳以上の人口は3617万3,000人となっています。
内閣府の「令和5年版高齢社会白書」によると、高齢者人口の増加は続き、1970年代の第二次ベビーブームに生まれた「団塊ジュニア世代」が2040年頃から高齢者になることによって、2045年には高齢者人口が3,945万人となり、ピークに至ると予測されています。
高齢者人口が増えることで、介護を必要とする人口も増えることが予想されるため、訪問看護サービスの需要は今後も増えていくでしょう。
訪問看護の人手不足が深刻化する
一方で、生産年齢人口は減少の一途をたどっており、多くの業界で人手不足が問題となっています。
2040年頃に高齢者数がピークを迎えることと、生産年齢人口が減少し労働力が不足することを「2040年問題」と総称されることがありますが、訪問看護においても2040年問題は深刻な課題です。
2020年の訪問看護ステーションに就業している看護職数は7万人弱となっている一方で、2025年までに13万人の看護職が必要とされています。
(参考:訪問看護の現状とこれから2024年版|日本訪問看護財団)
介護需要が高まるスピードに対して、訪問看護に従事する看護職の人手不足は今後も避けられない問題となります。
2040年を見据えた事業を拡大するポイントとは
それでは、長期的な視点として2040年を見据えて、人手不足という課題と向き合いながら事業を拡大するためのポイントを4つご紹介します。
1.事業所所在地の高齢者人口の推移を確認して、経営計画を立てる
高齢者人口は、日本全体では2040年~2045年にピークを迎えますが、地域の人口動態によってはピークとなる時期がもっと早く訪れることがあります。
事業所の所在地の総人口推移、高齢者人口の推移、要介護認定者数の推移などを確認し、今後のニーズの増減を予測しながら、ステーションの成長を計画しましょう。
2.看護師が働き続けられる、柔軟な雇用条件にする
看護職員の人手不足を解決するためには、「条件が合えば働きたい」という看護師のニーズに応えることが重要です。そのためには、柔軟な雇用形態を用意し、看護師が働き続けることができる環境を用意しましょう。
例えば、育児中の看護師や事情があって就業していない看護師に向けて、希望の労働時間に合わせた雇用形態・就業時間を設けることが挙げられます。また、現場から長期間離れている方々へ、研修や育成環境を整える取り組みもよいでしょう。
3.地域での連携強化
厚生労働省が進める在宅医療・介護連携の推進として、「 医療と介護の両方を必要とする状態の高齢者が、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、地域における医療・介護の関係機関が連携して、包括的かつ継続的な在宅医療・介護を提供することが重要」とされています。
そのため訪問看護ステーションの事業拡大には、地域の病院・診療所・薬局・介護サービス事業所などの関係機関との連携を強化する取り組みを進めることが大事になります。
具体的には、情報共有のルールの明確化、ツールの導入、協働・連携に関する研修・会議への参加、地域におけるネットワークへの参加などが挙げられます。
4.ICTの活用で生産性を向上しケアの質を保つ
訪問看護ステーションにおける事業拡大は、事業所数や職員数が増えるということを指します。そして、事業所数や職員数が増えた時に注意すべきこととして、「管理業務の負担が増えること」と「職員育成の負担が増えること」が挙げられます。
管理業務と職員育成の業務負担を軽減するためには、「ICTの導入と活用」を進めましょう。
ICTとして、クラウド型の電子カルテや請求ソフト、タブレット、スマートフォンなどを導入することによって、情報共有が簡単になり、記録、スケジュール、実績、請求、シフト、勤怠データなどの作成・管理業務を効率化することができます。
また、ICT導入による効率化で確保した時間を研修等に充てることで育成体制を構築することができ、オンライン会議ツールなどを導入することによって研修を効率的に実施できるようになるでしょう。
まとめ
訪問看護ステーションは、利用者が今後も増加すると予測されていますので、魅力のある事業となっています。一方で、訪問看護師の人手不足という課題がありますので、事業拡大を進めるためには地域の人口動態に合わせた経営戦略と人材確保のための環境を整備しましょう。
訪問看護ステーションの事業を拡大するための環境整備には、「ICTを導入すること」が必須だと言えます。
まだICTを導入していない方には、ソフトを契約するとiPadが1台が無料でレンタルできる『クラウド型の電子カルテ・請求ソフト カイポケ訪問看護』がおすすめです。1事業所あたりの利用料は、月額25,000円の定額なので、コストを抑えてICTを導入したいと考えている方におすすめのソフトになっています!
カイポケ訪問看護の『資料請求』や『無料体験の申込』は下記からお気軽にお問い合わせください。
電子カルテや医療・介護レセプトなら カイポケ訪問看護
無料のデモ体験や詳しい資料をご覧になりたい方は
こちらからお申し込みください
必要な機能がオールインワン