【令和5年度】精神科訪問看護の算定要件を満たす研修とスキルアップに役立つ研修をご紹介
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株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部
看護師や介護事業所の運営経験者、訪問看護の請求ソフトや電子カルテの導入支援経験者など、医療や介護、訪問看護の現場理解が深いメンバーが在籍。訪問看護ステーションの開業、経営、日々の看護業務に役立つ情報を発信します。
目次
精神科訪問看護を提供して精神科訪問看護基本療養費を算定するためには、届出を提出し、要件を満たす看護師等がサービスを提供する必要があります。
今回は、精神科訪問看護基本療養費の算定要件を満たすための研修について、実施団体、受講期間、受講料などをご紹介します。また、精神科訪問看護のスキルアップにつながる研修もご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
精神科訪問看護基本療養費の算定要件と届出
精神科訪問看護基本療養費を算定するためには、算定要件を満たす看護師等を配置し、「精神科訪問看護基本療養費に係る届出書」を地方厚生(支)局に提出しなければなりません。
それでは、算定要件と届出書について詳しく見ていきましょう。
算定要件
精神科訪問看護基本療養費の算定要件として、精神疾患を有する者に対する看護について相当の経験を有する保健師、看護師、准看護師または作業療法士を配置することが定められています。
この「精神疾患を有する者に対する看護について相当の経験を有する」とは、以下のいずれかを満たすこととされています。
精神科を標榜する保険医療機関において、精神病棟又は精神科外来に勤務した経験を1年以上有する者
精神疾患を有する者に対する訪問看護の経験を1年以上有する者
精神保健福祉センター又は保健所等における精神保健に関する業務の経験を1年以上有する者
国、都道府県又は医療関係機関団体等が主催する精神保健に関する研修を修了している者
届出
精神科訪問看護基本療養費を算定するためには、「精神科訪問看護基本療養費に係る届出書」を地方厚生(支)局に提出しなければなりません。
「精神科訪問看護基本療養費に係る届出書」の「届出内容」のうち、「当該届出に係る指定訪問看護を行う看護師等」の箇所には、職員の氏名、職種、経験内容(種類と具体的内容)を記載します。
※届出書の様式は厚生局によって異なる場合があるので、管轄の地方厚生(支)局のサイトをご確認ください。精神科訪問看護基本療養費の算定要件を満たす研修とは?
精神科の経験や精神疾患の方への訪問看護の経験、精神保健に関する経験がない職員は、「国、都道府県又は医療関係機関団体等が主催する精神保健に関する研修」を修了することで、算定要件を満たすことができます。
ここからは、精神科訪問看護基本療養費の算定要件となっている「国、都道府県又は医療関係機関団体等が主催する精神保健に関する研修」について、研修の目的・カリキュラム、受講期間、受講形式、受講料をご紹介していきます。
目的・カリキュラム
精神科訪問看護基本療養費の算定要件に係る研修の目的は、精神疾患をもち訪問看護を必要とする方に対してケアを提供するために必要な知識、技術を習得することです。また、精神科のさまざまな疾患について理解を深め、多職種連携の必要性や精神疾患をもつ利用者の状況に応じた適切な看護を提供できる実践能力を高めることも目的とされています。
このような目的を達成するために、以下のようなカリキュラムが定められています。
精神疾患を有する者に関するアセスメント
病状悪化の早期発見・危機介入
精神科薬物療法に関する援助
医療継続の支援
利用者との信頼関係構築
対人関係の援助
日常生活の援助
多職種との連携
GAF尺度による利用者の状態の評価方法
(参考:訪問看護ステーションの基準に係る届出に関する手続きの取扱いについて|厚生労働省)
受講時間・受講期間
研修の実施主体によって差がありますが、受講時間はおよそ20~23時間、受講期間は3日間ほどとなっています。
受講形式(オンライン・オフライン)
受講形式は、対面とオンラインの2種類に分けられます。各都道府県の訪問看護ステーション協会等が主催する研修の場合は対面開催が多く、全国規模の団体の場合はオンライン形式で開催される場合が多いようです。
対面形式のメリットは、カリキュラム内のグループワークで直接参加者同士でディスカッションができ、学びの情報交換がしやすいことです。
一方で、オンライン形式のメリットは、インターネット環境があればどこでも受講でき、受講しやすいことです。また、オンデマンド配信に対応している場合は、繰り返し受講内容を復習できることもメリットになります。
対面、オンラインどちらの受講形式にもメリットはありますので、職員本人やステーションの意向に合わせて研修を選ぶとよいでしょう。
受講料
研修の受講料は、オンライン形式の場合15,000円~28,000円ほど、対面の場合は4,5000円ほどとなっています。
ただし、研修を実施する団体によっては、割引料金(会員価格)が設定されていることがあるので、ステーションで加入している団体等がある場合は、「その団体が研修を実施しているのか?」と「割引料金があるのか?」を確認するとよいでしょう。
【令和5年度】精神科訪問看護基本療養費の算定要件を満たす研修の実施団体とスケジュール
ここでは、全国から参加可能なオンライン形式の研修について、令和5年度の開催スケジュールをご紹介します!
詳細は各団体のサイトにてご確認をお願いします。
研修名 | 団体名 | 開催形式 | 開講日 | 受講可能期間 | 申込期日 | 定員 | 受講料(税込価格) |
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令和4年度改訂版 精神障がい者の在宅看護セミナー | 日本訪問看護財団 | Web開催
オンデマンド形式 |
9月15日(金) | 3か月間 | 8月16日(水)~ 8月25日(金) | 制限なし | 日本訪問看護財団の会員:15,400円
非会員:25,300円 |
Web開催
オンデマンド形式 |
10月13日(金) | 3か月間 | 9月13日(水)~ 9月22日(金) | 制限なし | 日本訪問看護財団の会員:15,400円
非会員:25,300円 |
||
Web開催
オンデマンド形式 |
11月10日(金) | 3か月間 | 10月11日(水)~ 10月20日(金) | 制限なし | 日本訪問看護財団の会員:15,400円
非会員:25,300円 |
||
Web開催
オンデマンド形式 |
12月8日(金) | 3か月間 | 11月8日(水)~ 11月16日(木) | 制限なし | 日本訪問看護財団の会員:15,400円
非会員:25,300円 |
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Web開催
オンデマンド形式 |
2024年1月12日(金) | 3か月間 | 12月6日(水)~ 12月15日(金) | 制限なし | 日本訪問看護財団の会員:15,400円
非会員:25,300円 |
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Web開催
オンデマンド形式 |
2024年2月9日(金) | 3か月間 | 2024年1月12日(金)~ 1月19日(金) | 制限なし | 日本訪問看護財団の会員:15,400円
非会員:25,300円 |
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Web開催
オンデマンド形式 |
2024年3月15日(金) | 3か月間 | 2024年2月14日(水)~ 2月22日(木) | 制限なし | 日本訪問看護財団の会員:15,400円
非会員:25,300円 |
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精神科訪問看護基本療養費算定要件研修 | 日本介護福祉士実務者研修養成協会
東北福祉カレッジ |
Web開催
Zoom利用 |
9月2日(土) | 3日間 | 不明 | 記載なし | 27,500円
法人割引(2名以上)で25,000円 |
Web開催
Zoom利用 |
9月30日(土) | 3日間 | 不明 | 記載なし | 27,500円
法人割引(2名以上)で25,000円 |
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精神科訪問看護研修会~精神科訪問看護基本療養費算定要件となる研修会~
|
全国訪問看護事業協会 | Web開催
一部ライブ配信 オンデマンド形式 |
12月16日(土) | 約3か月間 | 10月2日~11月15日 | 100名 | 日本訪問看護事業協会会員: 15,000円
非会員:25,000円 |
2024年1月27日(土) | 約3か月間 | 10月2日~11月15日 | 100名 | 日本訪問看護事業協会会員: 15,000円
非会員:25,000円 |
|||
2024年2月17日(土) | 約3か月間 | 10月2日~11月15日 | 100名 | 日本訪問看護事業協会会員: 15,000円
非会員:25,000円 |
精神科訪問看護のスキルアップに役立つ研修とは?
ここでは、精神科訪問看護を勉強しスキルアップをしたいとお考えの方におすすめの研修をご紹介します。
【有料】精神科訪問看護に使えるアセスメントの研修
一つ目は、日本訪問看護財団が実施する「精神科訪問看護に使えるアセスメント~GAF尺度による評価と看護モデル~」というセミナーです。
精神科訪問看護で利用する頻度が高いGAF尺度について理解を深めるための内容や、アセスメント手法を学びながら精神科訪問看護のスキルアップを目指せる内容です。
「精神科訪問看護に使えるアセスメント~GAF尺度による評価と看護モデル~」
定員なし
受講可能期間は2か月間
受講料
日本訪問看護財団の会員:5,500円
非会員:15,400円
申し込み期間(※)
各セミナーの申込期限までに登録が必要
※セミナーは2024年1月までほぼ毎月開催されているので、詳しくは日本訪問看護財団のサイトをご参照ください。
【無料】精神科訪問看護に関するオンラインセミナー
二つ目は、『カイポケ訪問看護の無料セミナー』です。カイポケ訪問看護では、精神科訪問看護ステーションの運営、経営について学びたい方に向けて無料のセミナーを実施しています。
例えば、精神科訪問看護の記録について職員に学習してもらいたい場合には「持続可能な精神科訪問看護ステーションを創る 第6回 精神科訪問看護記録の書き方と留意点」というセミナーがおすすめです。
この他にも、精神科訪問看護に関する無料のセミナーを多数ご用意しておりますので、ぜひご視聴ください。
まとめ
精神科訪問看護の基本療養費の算定要件と算定要件を満たすための研修についてご紹介してきました。
算定要件である「国、都道府県又は医療関係機関団体等が主催する精神保健に関する研修」は、各団体が様々なスケジュール・受講形式で実施していますので、「日本訪問看護財団」や「日本介護福祉士実務者研修養成協会東北福祉カレッジ」、「全国訪問看護事業協会」などのホームページを確認してみましょう。
また、精神科訪問看護のスキルアップや精神科訪問看護ステーションの経営に関する知識を学びたい方には、『カイポケ訪問看護』の無料セミナーがおすすめです。
精神科訪問看護ステーションの運営に関する内容だけでなく、加算や制度改定に関するセミナーを随時公開しておりますので、ぜひご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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