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訪問看護と障害福祉サービスは併用可能!障害者の訪問看護の需要や適用となる制度・手続きを解説

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この記事は2023年12月時点の情報をもとに執筆しています

訪問看護と障害福祉サービスは併用可能!障害者の訪問看護の需要や適用となる制度・手続きを解説
株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部

株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部

看護師や介護事業所の運営経験者、訪問看護の請求ソフトや電子カルテの導入支援経験者など、医療や介護、訪問看護の現場理解が深いメンバーが在籍。訪問看護ステーションの開業、経営、日々の看護業務に役立つ情報を発信します。

目次

訪問看護ステーションでは、小児から高齢者までさまざまな年齢層の利用者に、症状・疾患等に応じたサービスを提供します。その中には、障害者手帳の交付を受け、障害福祉サービスを利用している方もいます。

今回は、障害福祉サービスを利用している方に対して、訪問看護を提供する場合の制度や手続きについて解説します。

在宅で生活する障害者の人数は増加傾向

まずは国内における障害者数の推移を見ていきましょう。障害者の区分は、身体障害、知的障害、精神障害の大きく3つに分けられます。

各区分における障害者数は、身体障害者(身体障害児を含む。以下同じ)436万人、知的障害者(知的障害児を含む。以下同じ)109万4,000人、精神障害者419万3,000人です。このうち、在宅で過ごす障害者数は以下の通りです。

  • うち、在宅で生活する身体障害者数:428万7,000人

  • うち、在宅で生活する知的障害者数:96万2,000人

  • うち、在宅で生活する精神障害者数:389万1,000人

障害福祉分野の最近の動向|厚生労働省

また、障害者数は増加傾向にあることから、在宅で過ごし、「訪問看護を利用したい」と考える障害者・そのご家族も増加することが予想できます。

障害者の定義

障害者基本法において、「障害者」とは以下のように定義されています。

「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。」

(引用:障害者基本法|厚生労働省

また、知的障害、身体障害、精神障害の定義は以下のように定められています。

区分 定義
知的障害 知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態にあるもの
身体障害 身体障害者福祉法の以下別表に示す身体上の障害があるもの
①視覚障害、②聴覚又は平衡機能の障害、③音声機能、言語機能又はそしやく機能の障害、④肢体不自由、⑤内部障害
精神障害 統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者

(参考:障害者の範囲|厚生労働省

訪問看護と障害福祉サービスは併用可能!

障害福祉サービスを利用している障害者には、医療保険の訪問看護を提供することができます。

障害者グループホーム(共同生活援助)を利用している場合

障害福祉サービスのうち、障害者グループホーム(共同生活援助)を利用している人に対しては、障害者グループホーム(共同生活援助)と訪問看護ステーションが業務委託契約を結び、①訪問看護ステーションは、障害者グループホーム(共同生活援助)のサービスの一環として療養上の世話等を提供し、②障害者グループホーム(共同生活援助)は医療連携加算を算定し、訪問看護ステーションに業務委託費を支払う、といった形で訪問看護サービスを提供することがあります。

介護保険サービスを利用している障害者の場合の訪問看護

介護保険サービス(在宅)を利用している障害者に対しては、介護保険の訪問看護を提供することができます。

在宅系の介護サービスを利用している場合は、介護保険の訪問看護を利用することができますが、入所系の介護サービスなど、介護サービスにおいてすでに療養上の世話等を受けている場合は、訪問看護を利用することができません。

高齢者グループホーム(認知症対応型共同生活介護)を利用している場合

認知症高齢者グループホーム(認知症対応型共同生活介護)を利用している人に対しては、原則、訪問看護サービスを提供することはできませんが、「厚生労働大臣の定める疾病等」に該当し、「特別訪問看護指示書」が交付され方に限り、医療保険の訪問看護を提供することができます。

また、認知症高齢者グループホーム(認知症対応型共同生活介護)と訪問看護ステーションが業務委託契約を結び、①訪問看護ステーションは、認知症高齢者グループホーム(認知症対応型共同生活介護)のサービスの一環として療養上の世話等を提供し、②認知症高齢者グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は医療連携体制加算を算定し、訪問看護ステーションに業務委託費を支払う、といった形で訪問看護サービスを提供することがあります。

特別養護老人ホームや介護付有料老人ホームに入居している場合

特別養護老人ホームを利用している人に対しては、原則、訪問看護サービスを提供することはできませんが、末期の悪性腫瘍の方に限り、医療保険の訪問看護を提供することができます。

障害者の医療費助成制度と訪問看護ステーションの手続き

障害者の医療費を助成する制度として、「重度障害者医療費助成制度」と「自立支援医療制度(精神通院医療)」があります。これらの制度についてそれぞれご紹介します。

重度障害者医療費助成制度

重度障害者医療費助成事業は、重度の身体的または精神的な障害を持つ人々が医療サービスを受ける際に、その医療費の一部を自治体が助成する制度です。

医療保険の訪問看護についてもこの助成の対象となっており、自己負担の一部が助成されます。

例えば大阪府では、以下の1~5に当てはまる場合、訪問看護利用料の自己負担が一部助成されます。

  1. 障がい等級が1級・2級の身体障がい者手帳をお持ちの方

  2. 重度の知的障がいの方

  3. 中度の知的障がいで身体障がい者手帳をお持ちの方

  4. 障がい等級が1級の精神障がい者保健福祉手帳をお持ちの方

  5. 特定医療費(指定難病)受給者証または特定疾患医療受給者証をお持ちで、かつ障がい年金1級または特別児童扶養手当1級に相当する方

(参考:重度障がい者医療費助成制度|大阪府

訪問看護ステーションの手続きは不要

この制度は、対象となる利用者本人が、自治体に申請を行い、助成を受ける制度のため、訪問看護ステーションが手続き等を行う必要はありません。

自立支援医療制度(精神通院医療)

自立支援治療制度(精神通院医療)は、精神障害及び精神障害の治療に関連して生じた病態、精神障害の症状に起因して生じた病態に対して入院しないで行われる医療費の自己負担の一部を自治体が助成する制度です。

助成対象となるのは、以下の通りです。

  1. 医療に要する費用

  2. 介護保険法による訪問看護に要する費用(精神通院医療の訪問看護に限る)

例えば東京都では、以下に当てはまる場合、訪問看護利用料の自己負担が一部助成されます。

  • 通院治療を継続的に必要とする程度の状態の精神障害(てんかんを含む。)を有する方

※ただし区市町村民税が年23万5千円以上の世帯は原則として対象外
(参考:自立支援医療(精神通院医療)について|東京都福祉局

自立支援医療制度の指定申請

自立支援医療制度の対象となる訪問看護ステーションになるためには、都道府県・市等に「指定自立支援医療機関」としての申請を行わなければなりません。

まとめ

在宅で過ごす障害者数の推移や、障害福祉サービスと訪問看護の併用、障害者が訪問看護を利用する場合に利用できる助成制度について解説しました。

障害福祉サービスと併用する方は、関連する制度が複雑なため請求業務で迷ってしまうケースも多いのではないでしょうか。訪問看護ステーションの経営では、訪問業務以外の帳票作成や請求業務などを効率化することはとても重要です。

『カイポケ訪問看護』は電子カルテの機能を備えたクラウド型のソフトなので、訪問時や移動中など、場所を問わずにタブレットで記録の入力ができます。また、入力した実績は請求データと連動しているので、請求業務の効率化にもつながっています。

訪問看護の記録や請求業務を効率化したいとお考えの方は、ぜひ一度『カイポケ訪問看護』の無料体験をお試しください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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