「こんなに無料で本当に大丈夫なの？」と今でも妻と話します（笑）

千葉県千葉市で稲毛海岸訪問看護ステーションを経営している広木様は、カイポケ開業支援サービスを利用し2022年1月に開業をしました。開業に至る経緯や開業後の変化についてご紹介します。

組織に縛られず患者に向き合える環境を求めて開業

開業しようと思ったきっかけについて教えていただけますか？

理学療法士として病院や訪問看護ステーション、デイケアなどの施設で勤務していました。どこにでもある話だと思いますが、会社の中で長く働いていると、理学療法士としての仕事以外の業務が多くなったり、異動などで組織に変化があったりして、わずらわしさを感じるようになっていきました。その状況を変えたいと思ったことが、開業を目指したきっかけです。

また妻が同じ職場で看護師として働いており、私はリハビリを提供できるので、一緒に始めるのであれば訪看だと、実は10年くらい前から開業を意識していました。

事業所のある千葉市の美浜区の利用者の状況や、医療やリハを受けられる場所はあるのか、事業所を開くにあたって駐車場が確保できるかなど色々調べました。1番大事にしていたのはやはり、この地域で新しく開業するに当たって、サービスで勝負できるかどうかです。

開業にあたって不安だった点はありましたか？

最も不安だったことはお金と人材の2点です。今もこの2つの確保が経営をする上で難しいことなんですけどね。社長になっても、「私が給与なしで働きます」と言える訳ではないですし、例え売り上げが上がらなくても、従業員の給料を支払う必要があります。訪看は支出の80%が人件費とも言われますから、どう資金をつないでいくかは心配でした。また、人材については、看護師をどう集めるかですよね。訪問看護ステーションは看護師が3人必要で、雇用しても辞めてしまうリスクもあります。こうしたリスクをどのように減らすかを常に考えていました。

看護師の妻は、給料も安定してもらえますし、開業にチャレンジしなくても良い状況でした。でも私の事業で難しい状況が続くのであればってことで、ついてきてくれたんです。

どのようなきっかけでカイポケの開業支援サービスを知ってくださいましたか？

ネットで色々調べていて、カイポケさんが開業支援を無料でやっているということを知りました。私が勤めていた会社では別のソフトを使っていたのですが、ほかの会社のケアマネジャーが「カイポケは使いやすい」と教えてくれていたので、カイポケのことは元々知っていたんですよ。そのカイポケさんが無料で開業の支援をやっていることに行きついたわけです。

「こんなに無料で本当に大丈夫なの？」と今でも妻と話します（笑）

カイポケの開業支援サービスを選んでいただいた理由は何ですか？

カイポケが有名だったことと、ネットで調べたときに一番最初に出てきたからですかね。 開業支援サービスを知って、とりあえずお話しを聞いてみました。無料相談に申し込んで、半分くらいは「本当に無料なの」と疑いながら、ちょっと話を聞いてみるかっていう感じです。でも実際に相談してみたら、すごく良かったです。

元々、資金面の不安が強かったのですが、開業支援サービスのアドバイザーに相談すると、「開業するためには資金が1000万円必要で、それを丸々、自己資金ではなく融資を受ける前提で確保する方法がある」ことを教えてもらいました。具体的なアドバイスをしてもらえたので、準備が整ったら開業しよう！という気持ちになったんですよ。

いまだに妻と話すのですが、無料で開業のサポートが得られて、開業後もそんなに高くない料金で訪問看護ソフトを利用できるじゃないですか。会社として大丈夫なの？成り立っているの？と思ってしまうんですよね(笑)。

実際にどのようなサービスを受けられましたか？

開業支援の担当アドバイザーの方は、なんでも親身になって相談に乗ってくれました。例えば、私が経営の専門的なことを経験していない状態なので、頭の中が整理できていないときがありました。そんなときは、アドバイザーが開業にあたってのタスクを順序立てて整理してくれました。 そういう面も含めると、本当に開業支援のサポートがなければ開業は難しかったと思います。

また、相談はチャットを通じたやり取りでしたが、そこも今の時代には良いなと思いました。というのも、日中は私も仕事をしていますから、空いた時間で疑問をチャットに送っていました。そしたらほっといてもアドバイザーが返信してくれるので、また空いたタイミングで確認できる じゃないですか。電話のやりとりだと時間が合わなくて、仕事をしながらの相談は難しいのかなと思います。

また、有料のオプションサービスも、受けられるサービスはほとんど受けました。法人設立サービスから税務届出代行、税理士の顧問契約や指定申請代行をお願いしました。アドバイザーの方には、「やれる範囲は自分で行えばお金はかからない」と言われましたが、実際に時間がなかったですし、費用対効果を考えるとまあ良いかなという金額だったのでお願いしました。

例えば、税理士の顧問契約も色々調べてみて比較しても高くはないなと思うんです。レスポンスも良いですし、他の会社を経営している友人からもカイポケの税理士さんはやりとりしやすいと聞いています。

有料のオプションサービスである営業支援コンサルティングに申し込んでいただいています。利用した感想を教えてください。

営業支援コンサルティングを利用したことによって、スタッフの看護師が営業の重要性を理解してくれたほか、具体的なやり方を示せたことがよかったです。

医療法人や病院って向こうから利用者が来るけど、個人経営の訪問看護ステーションだとそうはいかないじゃないですか。営業にいけない時は、やっぱり新規の利用者さんが減るんですよね。開業して1月、2月、3月は頑張っていたのでたくさん来たんですけど、4月にちょっとサボったら5月の新規が3件だった、みたいな。

仕事がないときは「営業に行こうか」となるんですけど、私たちが考えていた営業範囲だとケアマネ事業所の数も多くなくて、1日くらいで回れちゃうんですよね。さあどうしようとなったときに、営業コンサルティングの方が、「今ならここまでエリアを広げられる」とか、営業の範囲設定の相談に乗ってくれました。私が地図でここに営業に行くと示しても理解が得られないこともありましたが、外部の方から客観的にアドバイスを貰うことでスタッフも理解を示してくれました。

「本当に今、仕事が楽しいんです」

開業後の経営状況はいかがでしょうか？

2022年の1月に開業して、その年の12月が終わったときに医療・介護保険の収入と支出を比べたところ、何とか1年かからず単月黒字化が達成できていました。

訪問看護ステーションを開業して実現できたことはありますか？

本当に今、仕事が楽しくてしょうがないんです。病院で働いていたころと同じ理学療法士の仕事ですけど、「あれやったらどうだろう」とかアイデアが沸き、若い頃の気持ちになってきた感覚です。
この前も休みを取って子どもたちとスキーに行くことになったんですけど、直前まで仕事をしていて、当日になってもちょっと仕事したいなと思ってしまうような。それくらい充実していると感じますね。
以前は20分おきにリハをやったり、会社の異動で今まで3年かけて関わってきた利用者さんの経過を追えないこともありました。それが今では利用者さんが良くなっていく姿を見れたり、ご家族の方と「こういうふうにしたら負担が減りますよ」、といったことを1時間かけてみっちり話せたりするんですよ。どうやったら全員がハッピーになれるかを考える時間ってすごい有意義だと思います。その結果として会社としての実績が上がってくると、テンションも上がりますよね。

開業後は記録・請求ソフトとしてカイポケをご利用いただいています。利用して良いと思う点を教えてください。

まず情報がどこでも見られることが良いです。タブレットさえあれば仕事が成り立ちますね。カルテを持たなくて良いですし、タブレットから入力すれば他の人も見られる点がすごく良いなと思いますね。

また、請求も本当に楽ちんですね。前の職場では、担当者が1日から10日までみっちり請求に張り付いている感じでした。すごく大変そうだったんですよ。それに比べればチェック業務が簡素化されていると思います。記録は、「これやったよ」ってことがすぐにタブレットから飛んでくるので、加算などを注意すれば請求業務は1日で終わっちゃいますね。次の日にもう一回ダブルチェックするとしても、それで請求業務が終わります。

今後の目標を教えてください。

まだ訪問看護事業が軌道に乗ったとは言えないので、これからも頑張っていきたいと思います。開業時の自己資金や融資分のお金分を取り戻し、まずはプラスにしていきたいと思っていますし、大きな目標としては、スタッフを増やしつつ（千葉市）美浜区で依頼が来た利用者さんを断らずに受け入れるような体制を築いていければと思っています。