電子カルテの導入で職員の業務不安を軽減し、人材定着に貢献
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管理者 池田様
医療法人仁心会 宇治川病院の訪問看護ステーションうじがわ様はカイポケを導入することで職員の業務不安の軽減に成功されています。ソフト導入のきっかけや法人内でどのように導入を行ったかをご紹介します。
職員に長く働いてもらい、看護の質も向上させたかった
ご相談いただく前に抱えていたお悩みを教えてください
京都府宇治市にある当ステーションは、市内で最も早い時期に開設された訪問看護ステーションの1つであり、長年にわたり紙で記録書の作成・管理を行っていました。特にご利用者様の情報共有においては、職員間のコミュニケーションに時間がかかり、状況を伝えることに苦労していました。
またオンコール対応の際には、ご利用者様の情報や過去の記録内容などを職員の自宅で確認ができず、担当をしていないご利用者様から電話が来た場合には不安も大きく、職員にとって負担となっていました。
私も含め長年働いているベテラン職員にとっては紙の記録書による運用が当たり前であり、苦労やオンコール時の不安はあるものの、「これが普通で仕方がない」という感覚があったのも事実でした。
きっかけは若手職員の提案から
もともと、3人の看護職員でステーションを運営していました。職員の多くは母親であり、育児と仕事の両立に努めています。しかし、子どもの体調不良でお休みになる際はシフトの穴埋めが必要であり、調整や対応に苦労していました。
管理者としてステーションの運営を行う中で「職員には長期で働いてほしい」という思いは常にありました。またその結果として、看護の質も向上させていけるものだと考えています。
このような背景もあり、職員数を6人に増加し、ステーション全体で業務をカバーする取り組みを進めました。これまではベテランの職員が多く在籍していたステーションに、新たに20代の看護師が入りました。若手看護師がステーションを牽引する立場になるために、まずは職場に定着してもらうことが課題と感じていました。
そこで、 職員に対してアンケートや面談を通してヒアリングを行い、普段は聞けなかった意見を収集することができました。例えば若手職員には、「電子カルテを導入してほしい」という希望があることが分かりました。
私自身は紙の記録に慣れていたものの、変わる必要性は理解しておりました。普段の会話からベテラン職員へ「電子カルテを導入してみたらどうだろう?」という話をしました。「操作方法が難しそう」という意見もありましたが、全員が若手職員に長く働いてもらえる環境を作ることは必要と感じていたので、「私たちも変わらなあかん」という方針でまとまりました。
ちょうどそのタイミングでカイポケからお電話がありました。運営会社のエス・エム・エスには職員の採用でお世話になっていたので、カイポケの話も聞いてみようと思い電子カルテの導入が具体化していきました。
事務責任者と課題を共有し、稟議承認を取得
法人内でどのように導入の承認を進めたか教えてください
導入を進める上で、法人内の事務責任者と話し合いをしました。
職員の定着が大切なこと、そのためには電子カルテが必要であることを課題として伝えることで事務責任者の合意を得て、最終的には稟議を通しました。
振り返ると、病院内で普段から事務責任者と会う機会も多く、ちょっとした話をする度に困りごとを伝えて、電子カルテの必要性を理解してもらったことが大切でした。
導入に際して費用を調べましたが、初期費用が発生せずソフトの月額料金もお手頃な価格であり、承認は進めやすかったです。
反対に費用が高額であった場合には、稟議承認のフローが増え、すべての承認者に訪問看護ステーションの運営方法や課題を1から理解してもらう必要があるため導入のハードルは高く、諦めていたと思います。
経理部が抱えていた課題もカイポケで解決
当時はご利用者様への請求を手集金で行っており、電子カルテの導入後は手集金の問題を解決しようと考えていました。
その時の運用では、経理から現金を預かり、ご利用者様宅で精算をし、利用料とおつりを経理に返すという方法を取っていました。現金をステーションに多く保管したくないため、頻繁に経理にお金を渡し、経理側もその都度銀行に振り込む必要があり、双方にとって大きな負担となっていました。
また一人暮らしのご利用者様がお亡くなりになり、集金ができないケースや、認知症のご利用者様とのお金のトラブルが発生する不安はありました。
その折に、経理課長へカイポケ導入の話をしました。
カイポケの提供サービスには口座振替機能があり、引落手数料が1件あたり90円(税別)と安価であったため、この口座振替サービスも合わせて導入することを経理側も快諾してくださいました。
手集金の問題をカイポケで解決できることは、カイポケを選ぶ重要な理由の1つになりました。
職員様へ電子カルテをどのように浸透させましたか
無料体験期間中に、まずはカイポケの専属担当者が来訪し、全職員に操作説明を行ってくれました。デジタルツールが得意な職員から順にカイポケへ移行をし、2か月間で全員がカイポケでの記録作成ができるようになりました。
導入当初は、ご利用者様情報の登録ミスや帳票の保存忘れなどが発生しましたが、カイポケの専属担当者が電話を中心に丁寧に操作方法を説明してくれました。また職員同士で顔を合わせた際に疑問点を話し合い、解決していきました。
特に若手職員は電子カルテを「私の仕事」と捉えて、積極的に知識を習得し、ステーション全体に共有をしてくれました。
カイポケ導入後の変化
カイポケを導入したことで、職員全員がタブレットを持ち、どこからでもご利用者様の情報を閲覧できるようになりました。これにより、オンコール時の不安が軽減されました。また、タブレットからご利用者様の住所を確認し、すぐに車のナビに入力して訪問できる点も非常に便利です。
さらに、看護記録に写真を登録し、利用者様ごとのアルバムに保存できる機能もあります。訪問時の状態を記録として残し、全職員が個人のタブレットから写真を閲覧できることで、意見交換や情報共有が活発になったと感じています。
過去の記録を見返すことで、ケアの前後で状態が改善しているかを確認できるようになり、振り返りがスムーズになりました。
私は訪問看護師の経験が10年以上ありますが、不安を感じることはありますし、新しい職員の中には「訪問看護に不安がある」と言う方もいます。それでも、カイポケを導入することで、訪問現場で写真をアルバムに入れ、電話をかけて写真やご利用者様の情報を確認しながら相談できるようになり、不安が解消されることが多くなりました。
結果的に、業務の不安が軽減され、気持ちが非常に楽になりました。電子カルテの導入を提案した職員も楽しんで仕事をしており、長く働いてもらうという目的にも貢献していると感じています。
歩ける在宅生活を長く送るための支援に注力
ステーションで取り組んでいることを教えてください
地域の病院として地域社会に貢献できることを目指しており、私たちのステーションでは、利用者ができるだけ長く歩けることを目的にフットケアに力を入れています。良い歩き方をサポートし、歩ける在宅生活を長く送るための支援を行っています。
また、ステーション内ではみんなで楽しく働くことをモットーにしています。同じ8時間の勤務であれば、楽しく仕事をすることが大切です。そのような職場環境では職員も長く働いてくれます。
私たちの最大のモチベーションは、ご利用者様が私たちの訪問を待ってくれていることです。ご利用者様の期待に応えるため、日々努力を続け、より良いサービスを提供することを心がけています。