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訪問看護の訪問回数の上限とは?医療保険と介護保険それぞれの場合で解説

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訪問看護の訪問回数の上限とは?医療保険と介護保険それぞれの場合で解説
株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部

株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部

看護師や介護事業所の運営経験者、訪問看護の請求ソフトや電子カルテの導入支援経験者など、医療や介護、訪問看護の現場理解が深いメンバーが在籍。訪問看護ステーションの開業、経営、日々の看護業務に役立つ情報を発信します。

目次

訪問看護ステーションから利用者に訪問を実施する場合、保険の種類や医師からの指示内容に応じて訪問できる回数の上限が異なります。

今回は、医療保険の場合と介護保険の場合それぞれの訪問回数の上限や、利用者から訪問回数を増やしてほしいと依頼を受けた場合の対応方法について詳しく解説します!

医療保険の訪問看護における訪問回数の上限は?

それではまず、医療保険が適用となる場合の訪問回数の上限について説明します。

通常、訪問看護は1週間に3日まで

医療保険が適用となる訪問看護では、基本的に1日1回、週3回が訪問回数の上限となっています。

ただし、特定の疾病や状態にある利用者に対しては、1日1回以上、週3回以上の訪問回数が認められています。

「別表7,8に該当」、「特別指示書」の場合は、週4日以上の訪問が可能

1日1回以上、週3回以上の訪問回数が認められている利用者とは、「厚生労働大臣が定める疾病等(別表7,8)に該当する方」、「医師から特別訪問看護指示書の発行があった方」となります。

それでは、それぞれに該当する方がどのような疾病状態なのかを詳しく見ていきましょう。

別表第7に掲げる疾病等の者

別表第7に該当するのは、以下の疾病の者と定められています。

  • 末期の悪性腫瘍

  • 多発性硬化症

  • 重症筋無力症

  • スモン

  • 筋萎縮性側索硬化症

  • 脊髄小脳変性症

  • ハンチントン病

  • 進行性筋ジストロフィー症

  • パーキンソン病関連疾患

  • 多系統萎縮症

  • プリオン病

  • 亜急性硬化症全脳炎

  • ライソゾーム病

  • 副腎白質ジストロフィー

  • 脊髄性筋萎縮症

  • 球脊髄性筋萎縮症

  • 慢性炎症性脱髄性多発神経炎

  • 後天性免疫不全症候群

  • 頸髄損傷

  • 人工呼吸器を使用している状態

(参考:訪問看護|厚生労働省

別表第8に掲げる者

別表第8に該当するのは、以下の状態にある者と定められています。

  • 在宅悪性腫瘍患者指導管理または在宅気管切開患者指導管理を受けている

  • 気管カニューレもしくは留置カテーテルを使用している

  • 以下の指導管理を受けている状態

  • 在宅自己腹膜灌流指導管理

  • 在宅血液透析指導管理

  • 在宅酸素療法指導管理

  • 在宅中心静脈栄養法指導管理

  • 在宅成分栄養経管栄養法指導管理

  • 在宅自己導尿指導管理

  • 在宅人工呼吸指導管理

  • 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理

  • 在宅自己疼痛管理指導管理

  • 在宅肺高血圧症患者指導管理

  • 人工肛門又は人工膀胱を設置している状態にある者

  • 真皮を越える褥瘡の状態にある者

  • 在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者

(参考:訪問看護|厚生労働省

特別指示書とは?

特別訪問看護指示書(特別指示書)は、主治医が利用者の状況から頻回な訪問看護が必要だと判断した場合に交付する指示書です。

また、特別訪問看護指示書は、以下の場合では1月に1回交付されます。

  • 急性感染症等の急性増悪期

  • 末期の悪性腫瘍等以外の終末期

  • 退院直後で週4日以上の頻回の訪問看護の必要がある場合

一方、以下の場合では、特別訪問看護指示書が1月に2回まで交付されることがあります。

  • 気管カニューレを使用している状態

  • 真皮を超える褥瘡がある状態

1週間に「3日目まで」と「4日目以降」では、基本療養費の金額が変わる

1週間に「3日目までの訪問」と「4日目以降の訪問」では、基本療養費として算定できる金額に以下のような違いがあります。

訪問看護基本療養費の類型 算定金額
訪問看護基本療養費(Ⅰ)イ 週3日目まで 5,550円
訪問看護基本療養費(Ⅰ)イ 週4日目以降 6,550円
訪問看護基本療養費(Ⅰ)ロ 週3日目まで 5,050円
訪問看護基本療養費(Ⅰ)ロ 週4日目以降 6,050円
訪問看護基本療養費(Ⅰ)ハ 12,850円
訪問看護基本療養費(Ⅰ)ニ 週3日目まで 5,550円
訪問看護基本療養費(Ⅰ)ニ 週4日目以降 5,550円
訪問看護基本療養費(Ⅱ)イ 同一日に2人まで 週3日目まで 5,550円
訪問看護基本療養費(Ⅱ)イ 同一日に2人まで 週4日目以降 6,550円
訪問看護基本療養費(Ⅱ)イ 同一日に3人以上 週3日目まで 2,780円
訪問看護基本療養費(Ⅱ)イ 同一日に3人以上 週4日目以降 3,280円
訪問看護基本療養費(Ⅱ)ロ 同一日に2人まで 週3日目まで 5,050円
訪問看護基本療養費(Ⅱ)ロ 同一日に2人まで 週4日目以降 6,050円
訪問看護基本療養費(Ⅱ)ロ 同一日に3人以上 週3日目まで 2,530円
訪問看護基本療養費(Ⅱ)ロ 同一日に3人以上 週4日目以降 3,030円
訪問看護基本療養費(Ⅱ)ハ 12,850円
訪問看護基本療養費(Ⅱ)ニ 同一日に2人まで 週3日目まで 5,550円
訪問看護基本療養費(Ⅱ)ニ 同一日に2人まで 週4日目以降 5,550円
訪問看護基本療養費(Ⅱ)ニ 同一日に3人以上 週3日目まで 2,780円
訪問看護基本療養費(Ⅱ)ニ 同一日に3人以上 週4日目以降 2,780円
訪問看護基本療養費(Ⅲ) 8,500円

1日に複数回(2回・3回)の訪問は難病等複数回訪問加算を算定する

1日に複数回の訪問回数が認められている利用者に、1日に2回~3回訪問した場合は、難病等複数回訪問加算を算定することになります。

難病等複数回訪問加算は、1日の訪問回数と同一建物等の人数によって以下のように金額が定められています。

難病等複数回訪問加算 同一建物の人数 算定料
1日に2回訪問した場合 2人以下 4,500円/1日
3人以上 4,000円/1日
1日に3回訪問した場合 2人以下 8,000円/1日
3人以上 7,200円/1日

難病等複数回訪問加算についての詳細は、以下の記事をご覧ください

介護保険の訪問看護では、訪問回数の上限が定められてない

介護保険の訪問看護では訪問回数に上限はありません。

ただし、介護保険で給付される金額は要介護度に応じた支給限度額が決まっているため、支給限度額を超えると、費用の全額を利用者の自己負担として請求することになります。

訪問看護の2時間ルールとは?

介護保険の訪問看護で同一の利用者に同日、2回以上の訪問を行う場合、訪問と次の訪問の間を概ね2時間以上空けないと1回の訪問として訪問時間を通算し、報酬を算定しなければならないというルールがあります。

ただし、緊急時の場合や20分未満の訪問の場合、看護師と理学療法士など違う職種による訪問の場合などは、それぞれの訪問を1回として報酬を算定できるのでルールの詳細まで把握しておきましょう。

利用者から「もっと訪問回数を増やしてほしい」と言われた場合の対応方法

もしも利用者から、「もっと訪問看護に来てほしい」と要望を受けた場合は、適用する保険が医療保険なのかと介護保険なのかで対応方法が異なります。

医療保険の利用者の場合は、訪問看護指示書を出している医師に報告、相談しましょう。その際は、訪問看護報告書に利用者の状態や訪問頻度を増やす背景・必要性がわかるような情報を記載すると、医師が訪問看護の回数を見直す判断を行いやすくなります。

介護保険の利用者の場合は、ケアマネジャーに相談しましょう。要介護度の支給限度額の中で、訪問看護サービスを増やすことができるか、他サービスと調整ができるか等相談を行い、ケアプランの見直しを依頼します。

まとめ

訪問看護の訪問回数の上限について、医療保険と介護保険の場合をそれぞれ解説しました。

医療保険は利用者の状態や医師の指示内容によって訪問回数の上限が決められおり、介護保険は訪問回数の上限はないものの、他の介護サービスを含め介護保険から給付される支給限度額が定められています。

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