【2024年度改定対応】訪問看護における精神科重症患者支援管理連携加算とは?【医療保険】
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この記事は2024年度診療報酬改定時の情報をもとに執筆しています
株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部
看護師や介護事業所の運営経験者、訪問看護の請求ソフトや電子カルテの導入支援経験者など、医療や介護、訪問看護の現場理解が深いメンバーが在籍。訪問看護ステーションの開業、経営、日々の看護業務に役立つ情報を発信します。
目次
ここでは、訪問看護における医療保険請求の「精神科重症患者支援管理連携加算」についてご紹介しています。
訪問看護ステーション等を運営する中で、加算・減算の内容を把握して、適切な医療保険請求を行うことは重要なことです。しっかりとチェックしておきましょう。
【医療保険】精神科重症患者支援管理連携加算とは?
精神疾患を持つ方が病院から在宅療養に移行できるよう推進する観点から、精神疾患の病状が不安定な患者等を対象に訪問看護ステーションの職員が保険医療機関と連携して行う訪問看護を評価するための加算です。
2024年度(令和6年度)診療報酬改定では、訪問看護の精神科重症患者支援管理連携加算の算定料や算定要件に変更はありませんでした。
種類および金額
加算の種類 | 対象者 | 金額 |
精神科重症患者支援管理連携加算イ | 精神科在宅患者支援管理料2のイを算定する利用者 | 8,400円/1月 |
精神科重症患者支援管理連携加算ロ | 精神科在宅患者支援管理料2のロを算定する利用者 | 5,800円/1月 |
対象者
精神科在宅患者支援管理料2の算定対象となっている利用者
精神科在宅患者支援管理料2の算定対象の利用者とは?
精神科在宅患者支援管理料2の「イ」は以下の両方に該当する利用者、「ロ」は以下のいずれかに該当する利用者となっています。
1年以上の入院歴を有する者、措置入院または緊急措置入院を経て退院した患者であって、都道府県等が精神障害者の退院後支援に関する指針を踏まえて作成する退院後支援計画に関する計画に基づく支援期間にある患者または入退院を繰り返す者
統合失調症、統合失調症型障害もしくは妄想性障害、気分(感情)障害または重度認知症の状態で、退院時または算定時におけるGAF尺度による判定が40以下の者
算定要件
精神科重症患者支援管理連携加算イの算定要件
精神科訪問看護基本療養費と精神科重症患者支援管理連携加算の届出を行っていること
精神科在宅患者支援管理料を算定する保険医療機関が24時間の往診または精神科訪問看護・指導を行うことができる体制を確保していること、または訪問看護ステーションが24時間対応体制加算の届出を行っていること
主治医が属する保険医療機関の職員と共同で会議を行い、支援計画を策定すること
保険医療機関と連携して設置する専任のチームに、保健師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士のいずれか1名以上が参加していること
保険医療機関との定期的なカンファレンスの他、あらかじめ利用者や家族からの同意を得て、利用者の病状、治療計画、直近の治療内容等の緊急対応に必要な診療情報について随時提供を受けていること
精神科在宅患者支援管理料2のイを算定する利用者に対して、週2回以上精神科訪問看護を実施すること
専任のチームによるカンファレンスを週1回以上開催し、うち2月に1回以上は保健所または精神保健福祉センター等と共同して会議を開催すること
精神科重症患者支援管理連携加算ロの算定要件
精神科訪問看護基本療養費と精神科重症患者支援管理連携加算の届出を行っていること
精神科在宅患者支援管理料を算定する保険医療機関が24時間の往診または精神科訪問看護・指導を行うことができる体制を確保していること、または訪問看護ステーションが24時間対応体制加算の届出を行っていること
主治医が属する保険医療機関の職員と共同で会議を行い、支援計画を策定すること
保険医療機関と連携して設置する専任のチームに、保健師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士のいずれか1名以上が参加していること
保険医療機関との定期的なカンファレンスの他、あらかじめ利用者や家族からの同意を得て、利用者の病状、治療計画、直近の治療内容等の緊急対応に必要な診療情報について随時提供を受けていること。
精神科在宅患者支援管理料2のロを算定する利用者に対して、月2回以上の精神科訪問看護を実施すること
専任のチームによるカンファレンスを月1回以上開催し、必要に応じて保健所または精神保健福祉センター等と共同して会議を開催すること
留意点
月に1回に限り算定できます。
1人の利用者に対して1つの訪問看護ステーションだけが算定できます。
特別の関係にある医療機関と連携して行う場合は、加算を算定できません。
チームカンファレンスを開催するにあたっての留意点
チームカンファレンス、共同カンファレンスでは、利用者の診療情報の共有、支援計画の作成と見直し、具体的な支援内容、訪問日程の計画、支援の終了時期等について協議を行うこととされています。
可能な限り、利用者や家族が同席することが望ましいとされています。
支援計画の内容について、利用者や家族へ文書で説明を行い、その文書を交付することとされています。
チームカンファレンスは、関係者全員が一堂に会して実施することが原則ですが、ビデオ通話等の機器を用いて実施することも認められています。
精神科重症患者支援管理連携加算イにおける共同カンファレンスは、初回は関係者全員が一堂に会して実施し、2回目以降は関係者全員が一堂に会して実施することが原則ですが、ビデオ通話等の機器を用いて実施することも認められています。
精神科重症患者支援管理連携加算ロにおける共同カンファレンスは、関係者全員が一堂に会して実施することが原則ですが、ビデオ通話等の機器を用いて実施することも認められています。
ビデオ通話等を利用し、利用者の個人情報を画面上で共有する場合には、利用者の同意を得ていることが必要です。また、医療情報システムと共通のネットワーク上の端末においてカンファレンスを実施する場合は、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応していることが必要です。
最後に
この記事は、作成時点の最新資料・情報を基に作成しています。具体的な解釈や申請等については、その都度、最新情報をご確認いただき、自治体等へ申請・お問い合わせいただきますようお願い致します。
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