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訪問看護の管理者の年収はおおよそ「500万円〜840万円」!管理者の要件と仕事内容、求められるスキルとは?

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訪問看護の管理者の年収はおおよそ「500万円〜840万円」!管理者の要件と仕事内容、求められるスキルとは?
株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部

株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部

看護師や介護事業所の運営経験者、訪問看護の請求ソフトや電子カルテの導入支援経験者など、医療や介護、訪問看護の現場理解が深いメンバーが在籍。訪問看護ステーションの開業、経営、日々の看護業務に役立つ情報を発信します。

目次

「訪問看護の管理者ってどんな人が向いているの?」、「訪問看護の管理者の年収ってどのくらいなの?」と疑問に思っている方はいませんか?

看護師としてキャリアアップしたい、年収を上げたいと考え、訪問看護ステーションの管理者を目指している看護師も多いのではないでしょうか。しかし、訪問看護の管理者はどんな仕事をするのか、年収はどのくらいか、自分は訪問看護の管理者に向いているのか、など疑問や不安もあるでしょう。

そこで今回の記事では、訪問看護ステーションの管理者に求められるスキルや業務、年収の相場について詳しく解説します。また、訪問看護の管理者に向いている人の特徴についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

訪問看護ステーションの管理者の条件・求められるスキル・業務とは?

ここでは、訪問看護ステーションの管理者になるための条件、求められるスキル、求められる業務についてご紹介します。

管理者の条件

訪問看護ステーションの管理者になるためには、人員基準に定められた条件を満たす必要があります。

管理者になるための条件として、

  • 保健師、看護師、または助産師(※)であること

  • 専従かつ常勤であること

  • 適切な指定訪問看護を行うために必要な知識及び技能を有していること

が定められています。

※助産師が管理者になれるのは健康保険法に基づく訪問看護ステーションだけであり、健康保険法と介護保険法の両方を提供する訪問看護ステーションの管理者にはなれません。

以下が根拠となる基準とその文章です。

  • 健康保険法に基づく指定訪問看護の事業の人員および運営に関する基準第3条「指定訪問看護ステーションの管理者は、保健師、助産師又は看護師でなければならない」

  • 介護保険法に基づく指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準第61条「指定訪問看護ステーションの管理者は、保健師又は看護師でなければならない」

管理者に求められるスキル

一般的に訪問看護ステーションの管理者には、以下のようなスキルが求められています。

  • コミュニケーション能力

  • 質の高い看護ケアの実践力

  • リーダーシップ

  • マネジメント能力

  • 人材育成能力

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は管理者にとって1番重要なスキルであるといっても過言ではありません。訪問看護の管理者は多くの機関や職種と連携をとる必要があります。良好な関係を築くために、コミュニケーション能力は必須です。コミュニケーションをとるのが苦手という人は、練習し経験を積んでいくことをおすすめします。

質の高い看護の実践力

質の高い看護の実践力も必要なスキルです。管理者は質の高い看護を自ら利用者へ提供し、スタッフの見本となる必要があります。

リーダーシップ

全体をまとめ、率いるリーダーシップが管理者には求められます。スタッフをまとめるためには、スタッフと良好な関係をつくり、率いるためには、方向性を決めてスタッフに示す能力が必要になります。

マネジメント能力

マネジメント能力も管理者に欠かせないスキルです。マネジメントでは、訪問看護ステーションの目標を達成するために、訪問看護ステーション全体やスタッフ単位の業務調整、優先順位の決定、人材の配置や確保などを行います。

人材育成能力

管理者には、スタッフを育成する能力も求められています。スタッフの教育は、スタッフ個人の能力向上だけでなく、訪問看護ステーション全体の質の向上にもつながります。また、看護ケアに関する教育だけでなく、次世代の管理者やリーダーの育成など、将来を見据えた人材育成も行うことになります。

管理者に求められる業務

管理者に求められる業務は訪問看護ステーションの方針によって異なりますが、経営管理や労務管理、人事管理などさまざまな管理業務を行うことが求められています。管理者に求められている具体的な業務について紹介します。

  • 訪問スケジュール調整

  • 利用者様との契約

  • 苦情対応

  • 計画書、報告書の管理

  • サービス担当者会議、地域連絡会への参加

  • 職場の衛生管理

  • 職員のシフト調整

  • 職員の勤怠管理

  • 人事評価

  • 収支管理

  • 職員の採用

  • 訪問看護師として業務(緊急時の対応等) など

訪問看護ステーションの管理者になるための資格や業務内容、研修について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

管理者の年収相場

訪問看護ステーションの管理者の年収には地域差がありましたが、東京都の求人情報を確認すると、おおよそ「年収500万円〜840万円」の範囲となっていました。

この年収は基本給に加え、管理者手当等の各種手当を含めた金額となっているようです。また、ステーションの業績によって年収が左右される仕組みとなっている会社もあります。

訪問看護ステーションの管理者の給与の内訳

訪問看護ステーションの管理者の給与の内訳を一例として紹介します。

月給430,000円の給与の内訳

項目 金額
基本給 300,000円
職務手当 50,000円
自動車訪問手当
(一律支給)
5,000円
管理者手当 50,000円
みなし残業代 25,000円
オンコール手当 実績に応じて支給
緊急訪問手当 実績に応じて支給

※オンコール手当や緊急訪問手当は「実績に応じて支給」のため、月給43万円の合計額に含んでいません。

管理監督者の残業代

訪問看護ステーションの管理者は「管理監督者」であるため、残業代が支給されないことが多いです。

管理監督者とは、労働基準法で「労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者」であり、労働基準法で定められた労働時間、休憩、休日の制限を受けません。

訪問看護の管理者に向いている人とは?

訪問看護ステーションの管理者に向いているのはどのような人なのでしょうか?ここからは、管理者に向いている人の特徴を5つご紹介します。

  • 看護師としての経験が豊富な人

  • リーダーとしての思考を身に着けたい人

  • マネジメントの経験を積みたい人

  • 訪問看護ステーションの経営に興味を持っている人

  • 外部の法人や組織とつながりを作りたい人

看護師としての経験が豊富な人

訪問看護ステーションの管理者に向いているのは、看護師経験が豊富な人です。

訪問看護は、利用者の自宅に看護師が1人で訪問し、ケアをおこなう仕事です。そのため、自分で判断する場面も少なくありません。ステーションの看護師が迷った時や不安を感じた時に、管理者がこれまでの経験から適切なアドバイスができるかどうかが重要となり、管理者の豊富な看護の経験が、訪問看護師テーションの看護の質を左右するといっても過言ではありません。

リーダーとしての思考を身に着けたい人

訪問看護ステーションの管理者に向いているのは、スタッフを率いる力がある人です。

もちろん、はじめからリーダーシップを発揮できる方はほとんどいません。さまざまな場面や状況を経験していく中で成長していくことになりますので、リーダーシップを身に着けたい方は管理者に向いていると言えます。

マネジメントの経験を積みたい人

マネジメントの経験を積みたい人も、訪問看護ステーションの管理者に向いているでしょう。

訪問看護ステーションの管理者が行うマネジメントは「訪問看護ステーションの掲げている目標を達成できるように管理を行うこと」と考えられます。このようなマネジメントの経験は、スタッフとして働くだけでは経験できません。そのため、マネジメントの経験を積みたい人には、訪問看護ステーションの管理者はおすすめの役職となっています。

訪問看護ステーションの経営に興味を持っている人

訪問看護ステーションの経営に興味がある人も、管理者に向いています。訪問看護ステーションの管理者になるということは「経営者に近いポジションで働く」ということです。経営に興味があり、学びたいと考えている人は、訪問看護ステーションの管理者に向いていると言えるでしょう。

外部の法人や組織とつながりを作りたい人

多くの法人や組織とつながりを作り、人脈を広げたい人も、訪問看護ステーションの管理者に向いています。

訪問看護ステーションの管理者は、外部の法人や組織との接点であるサービス担当者会議や連絡会、勉強会、検討会、研修などに参加する機会が多くなります。

訪問看護ステーションを運営するうえで、連携を図るために、外部の法人や組織等と良好な関係を築くなかで、自分自身の将来に役立つつながりを作ることができるでしょう。

まとめ

本記事では、訪問看護ステーション管理者に求められるスキルや業務、年収の相場、向いている人の特徴などを解説しました。訪問看護ステーションの管理者は、運営や経営など業務が幅広く、さまざまなスキルや知識が求められますが、その分、給与が高い傾向にあり、やりがいのある仕事となっているようです。

はじめから全てのスキルや知識を身につけている人はいません。スキルや知識が未熟でも、経験を積み、学んでいく姿勢が何よりも大切だと思います。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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