経営

訪問看護ステーションのスケジュール管理とシフト作成を効率化する方法とは?

 更新日:

訪問看護ステーションのスケジュール管理とシフト作成を効率化する方法とは?
株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部

株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部

看護師や介護事業所の運営経験者、訪問看護の請求ソフトや電子カルテの導入支援経験者など、医療や介護、訪問看護の現場理解が深いメンバーが在籍。訪問看護ステーションの開業、経営、日々の看護業務に役立つ情報を発信します。

目次

訪問看護ステーションのシフト管理やスケジュール調整は、ステーションによってさまざまな形で管理されています。 職員の人数が少ない場合は、Excelなどで管理していても問題はないですが、人数が増えると調整が大変になるため、専用のシフト管理ソフト・訪問スケジュール管理ソフトを使って「業務効率化を図りたい!」と考えている管理者の方は多いのではないでしょうか。

今回は訪問看護ステーションの勤務形態と実際にシフトやスケジュールを組み立てる方法、シフト管理・スケジュール管理を効率化する方法を詳しく解説していきます。

訪問看護ステーションの勤務形態

訪問看護ステーションは、平日を営業日として設定していることが多いです。

また、夜勤体制は取らず、代わりに「オンコール」という当番制で夜間等に電話番を行い、利用者から電話があった際は、状況に応じて緊急の訪問を行うというシステムが多くのステーションで導入されています。

つまりシフトを作る際には、勤務時間と合わせてオンコールを含めて負担が偏らないようにバランスよく調整する必要があります。

1日の訪問スケジュールの内容

始業時間を8時30分、終業時間を17時30分として、訪問を担当する看護師の一日スケジュールの例をご紹介します。

  • 8:30 出勤、朝礼に参加
  • 9:00 ステーションを出発し利用者宅へ移動
  • 9:15 1件目の訪問看護開始
  • 9:45 1件目の訪問看護を終了し、次の訪問先へ移動
  • 10:00 2件目の訪問看護開始
  • 11:00 2件目の訪問看護を終了し、次の訪問先へ移動
  • 11:15 3件目の訪問看護開始
  • 11:45 3件目の訪問看護終了
  • 12:00 昼休憩
  • 13:00 休憩を終了し利用者宅へ移動
  • 13:15 4件目の訪問看護開始
  • 14:15 4件目の訪問看護を終了し、次の訪問先へ移動
  • 14:30 5件目の訪問看護開始
  • 15:30 5件目の訪問看護を終了し、次の訪問先へ移動
  • 15:45 6件目の訪問看護開始
  • 16:15 6件目の訪問看護を終了し、ステーションへ移動
  • 16:30 ステーションで職員会議に参加
  • 17:30 退勤、帰宅

このように、訪問看護ステーションに集合するのは朝礼と昼休憩、職員会議、研修などの時間のみで、1日の多くは訪問先と移動中の車や自転車で過ごすことが多い点が訪問看護の特徴です。

最近ではICTの導入により外出先での勤怠管理・情報共有・コミュニケーションが可能となり、直行直帰に積極的に取り組むステーションが増えています。

訪問スケジュールやシフトの作り方・管理方法とは?

看護職員の勤務時間の中で、できるだけ訪問件数・サービス提供時間数を増やすことがステーションの売上アップにつながります。ただし、移動時間に無理があるスケジュールを組むことは、職員の身体的・精神的負担が大きくなり、離職や業務上のミスなどにつながってしまうので十分に配慮しましょう。

スケジュール作成・管理のポイント

ステーションのスケジュール作成や管理において大切なポイントを3つ解説します。

1.受け持ち制を取らない

受け持ち制とは、利用者に対して特定の看護師を担当者として決めることを言います。

受け持ち制には、関係性構築という点でメリットがありますが、スケジュールが固定されてしまい、スケジュール調整が難しくなるというデメリットがあります。訪問看護ステーションでは、利用者の希望時間帯や移動距離を考えて訪問スケジュールを調整することになり、固定の担当者を付けてしまうと、移動時間が長くなってしまうケースや訪問できないケースなどが発生してしまいます。ですから、効率的なスケジュールを組めるように受け持ち制は採用せずに運営するのが良いでしょう。

2.移動時間を短くできるルートで組み立てる

常勤の看護師1名につき、30分~60分の訪問時間のサービスを1日4~8件ほど訪問できるように移動時間を考えたスケジュールを組みましょう。地域にもよりますが、都市部であれば移動は1件につき15分以内を目安として訪問スケジュールを組み立てることを目標にすると良いでしょう。

そのためには、訪問予定の利用者宅の位置を把握しながら、移動ルートを考えてスケジュールを組むことがポイントです。同じマンションや団地内などに複数の訪問先がある場合には、連続して訪問できるよう調整できないか確認しましょう。

また、職員の出社や帰社に時間がかかってしまう場合には、直行直帰を可能にすることで、移動時間の減少につながります。

3.訪問職員全体でスケジュールの見直しを行う

スケジュールの作成や管理は一般的に管理者が行うことが多いですが、実際に訪問をしている職員も含めた職員全体で改善点がないかを話し合い、見直すことが重要です。

また、職場の方針としてスケジュールの見直しや移動時間の短縮に対しての共通認識を持つことで、普段の訪問時には気づかなかった情報に気が付くこともありますので、共通認識を持つための機会は積極的に設けましょう。

シフト作成・管理のポイント

毎月のシフト(勤務表)作成や管理において大切なポイントを2つ解説します。

1.勤務体制・勤務形態一覧表の必要項目に沿って管理する

訪問看護ステーションを含む介護事業所では、「人員基準を満たす職員配置ができているか」、「加算の算定要件を満たすための職員配置ができているか」などを確認するために、「従業者の勤務体制・勤務形態一覧表」を作成することになっています。

一般的な企業向けのシフト作成・管理ソフトでは、「従業者の勤務体制・勤務形態一覧表」の項目である職員ごとや職種ごとの常勤換算数などを計算できるようにできていないため、訪問看護ステーション向けのシフト作成・勤怠管理ソフトを導入するのが良いでしょう。

2.職員の勤務希望に配慮する

シフト作成では、労働環境を改善する視点を持ち、できるだけ職員の希望(有給休暇取得、希望する時間帯の勤務)に配慮することも大切なポイントです。

ただし、全ての希望を叶えることは難しいケースが多いので、希望する休暇・勤務日等の上限を定めることなどで特定の職員に負担がかからないように調整しましょう。オンコール当番の回数等も同じように配慮が必要です。

スケジュール・シフト管理業務を効率化させる方法

訪問件数や看護職員が増えてくると、Excel等でスケジュール作成・シフト管理を行うのは大変です。それでは、訪問看護ステーションでスケジュール管理・シフト作成を効率化するためのシステム・ツールをいくつかご紹介しますので見ていきましょう。

Googleスプレッドシートとカレンダーを活用する

Excelに近い表計算ソフトとしてGoogleスプレッドシートがあります。Googleスプレッドシートはクラウド上に保存することで共同編集ができるので、職員の希望する有給休暇や勤務日などを集計する時に役立ちます。

また、Google Apps Scriptまで使える方は、スプレッドシートで集計し、確定したシフト・訪問スケジュールをGoogleカレンダーに一括登録できるので、スケジュールの共有なども効率化することができます。

勤怠管理機能がついた電子カルテ『カイポケ訪問看護』を導入する

訪問スケジュールやシフト作成は、電子カルテの機能の一部となっていることがあります。ですから、そのような機能がある電子カルテを導入すると、看護記録やレセプト機能と合わせて訪問スケジュールやシフト作成まで簡単に作成・管理することができます。

『カイポケ訪問看護』には、訪問スケジュールとシフト作成を行う機能が基本料金の中に含まれています。日勤・オンコール当番など複数の勤務形態パターンに対応するシフト作成の機能もついているので、管理者のシフト作成時間の削減につながるでしょう。

さらに勤務時間をもとに給与計算まで自動で行うことができるので、給与計算業務の効率化まで図ることができます。

最短ルートを自動計算する『ZEST』を導入する

訪問スケジュールを手作業で調整する場合、最適なルートを考えることや職員のスキルに応じて調整することに頭を使い、悩んでしまうことが多いでしょう。そのような悩みをお持ちの方には、訪問スケジュールを自動的に組んで最適化してくれる「ZEST」というサービスをおススメしています。

訪問計画やシフトに合わせて最短ルートを自動計算してくれるので、移動時間の計算や最短ルートを調べる手間が省けます。また、ZESTは訪問看護の電子カルテ「カイポケ訪問看護」とデータ連携できるので、カイポケ上の利用者や職員情報を取り込み、すぐにスケジュールを作成できます。

(参考:ZEST

まとめ

訪問看護のスケジュール管理やシフト管理は、ステーションが拡大するほど大変になる業務です。売上を維持・向上することと職員のワークライフバランスを保つ観点から、効率的であり、かつ、職員の希望を含めたスケジュール・シフト作成が求められています。

スケジュール管理やシフト管理の業務を効率化するためには、ソフトやツールなどの導入を検討しましょう。

カイポケ訪問看護は看護記録や請求業務だけでなく、電子カルテ、訪問スケジュールの作成、シフト作成、勤怠管理、給与計算など、訪問看護ステーションの運営に役立つ機能が揃っています!
スケジュール管理やシフト管理の効率化でお悩みの方は、ぜひ一度カイポケ訪問看護をお試しください。

電子カルテや医療・介護レセプトなら カイポケ訪問看護

無料のデモ体験や詳しい資料をご覧になりたい方は
こちらからお申し込みください

必要な機能がオールインワン

関連記事