訪問看護のDXとは?医療DXと介護DXの現状から訪問看護で取り組むべき内容を解説!
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株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部
看護師や介護事業所の運営経験者、訪問看護の請求ソフトや電子カルテの導入支援経験者など、医療や介護、訪問看護の現場理解が深いメンバーが在籍。訪問看護ステーションの開業、経営、日々の看護業務に役立つ情報を発信します。
目次
医療・介護業界においても、スマートフォンやパソコン、ウェアラブルデバイスといったデジタル端末やAI、介護ロボットといった技術の活用が進んでいますので、「DX」という言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか?
「DXって具体的にはどんなことを指しているのかよくわからない」「業界の流れに遅れたくない!」とお考えの方に向けて、DXの概要や訪問看護におけるDXの活用例についてわかりやすく解説していきます。
DXとは?
DXとは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略で、デジタル技術やシステムを活用し、業務の改善といったビジネスの抜本的な改革を行うことを意味します。
簡単に言うと、『デジタルツールを導入して、働き方・業務の改善、売上アップすること』がDXです。デジタルツールを導入するだけでは、DXとは言えないことに留意しましょう。
このDXという概念は、2018年に経済産業省が「DX推進ガイドライン」で提唱しました。現在においては、さらなる企業価値の向上のために取り組むべき指針と統合した「デジタルガバナンスコード2.0」で、あらゆる業界におけるDXの推進に向け提示をしています。
医療DXの取り組み例
『医療におけるDX』とは、厚生労働省の資料にて以下のように定義されています。
医療DXとは、保健・医療・介護の各段階(疾病の発症予防、受診、診察・治療・薬剤処方、診断書等の作成、診療報酬の請求、医療介護の連携によるケア、地域医療連携、研究開発など)において発生する情報やデータを、全体最適された基盤を通して、保健・医療や介護関係者の業務やシステム、データ保存の外部化・共通化・標準化を図り、国民自身の予防を促進し、より良質な医療やケアを受けられるように、社会や生活の形を変えること
(引用元:医療DXについて|厚生労働省)
医療DXについては、以下のような取り組み例が挙げられます。
電子カルテを導入し、記録の作成・チェックの時間を削減できた
オンライン診療の導入で、訪問診療の移動時間を減らすことができ、診療できる人数が増えた
AIによる問診の導入で、問診による待ち時間や診断確定までの時間を削減できた
アプリを活用した高血圧治療を用いて患者満足度の向上や治療成績の向上に寄与した
介護DXの取り組み例
『介護におけるDX』とは、介護現場でデジタル技術を活用し、介護の効率や質を向上させることを指します。
介護DXについては、取り組み例が挙げられます。
介護請求ソフト、記録ソフトを導入し、帳票作成や請求業務にかかる時間を削減できた
介護ロボットを導入したことで、職員の腰痛発生率が低下した
インカムの活用でスムーズな情報共有が可能になり、業務効率化を実現できた
ベッドセンサーの利用でインシデント発生率が低下した
厚生労働省が進める医療・介護のDXとは
厚生労働省は、人手不足や要介護者のさらなる増加に対し、医療や介護現場におけるDXを推進する意向があります。
総務省が2021年に発表した「デジタル・トランスフォーメーションによる経済へのインパクトに関する調査研究」によると、医療福祉業界におけるDX実施率は9%程度となっており、他業界よりDXの実施率が低い結果となっています。
医療・介護におけるDXを推進する施策として、以下のような取り組みがあります。
【医療DX令和ビジョン2030】
「医療DX令和ビジョン2030」とは、全国の医療情報を一元化する「全国医療情報プラットフォーム」の創設や、電子カルテの標準化といった医療DXの実現を目的とした構想です。
活動の一つとして、共通算定マスタの提供や診療報酬改定施行時期の後ろ倒しといった、診療報酬改定時の医療機関等ににかかる大きな負担を軽減する取り組みがあります。
【介護現場におけるICTの利用促進】
介護におけるDXを推進する目的で、『ICT導入支援事業』という支援制度があります。介護施設における記録・情報共有・請求業務が一つのソフトで可能になり、業務効率化を実現するためのソフト導入やデジタル端末の導入を支援するものです。
ICT補助金について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
訪問看護におけるDXのために導入されているツール
医療・介護におけるDXが進む中で、訪問看護ステーションにおいて、DXを進めるためにどのようなシステム・ツールが導入されているのでしょうか。例として3つのシステム・ツールをご紹介します。
クラウド型の電子カルテ・請求ソフト
訪問看護ステーションでは、クラウド型の電子カルテや請求ソフトが導入されています。
クラウド型の電子カルテや請求ソフトを導入することで、これまで紙媒体で作成していた帳票やエクセル等で管理していた請求情報を、クラウド型の電子カルテや請求ソフト上で作成・保管することができます。
特に請求業務では、介護レセプトはオンライン伝送が原則となっていること、医療レセプトは今後、オンライン請求が導入されることから、まだ電子カルテ・請求ソフトを導入していないステーションの方には、導入の検討をおススメします。
医療レセプトのオンライン請求とは?
訪問看護ステーションの医療レセプトのオンライン請求は2024年5月から開始予定となっています。
オンライン請求のメリットや準備すべきことについて詳しく知りたい方は、以下の記事を併せてご覧ください。
業務用のスマートフォン・タブレット
訪問看護ステーションでは、業務用のスマートフォン・タブレットも導入されています。
先ほど説明したクラウド型の電子カルテ・請求ソフトは、スマートフォンやタブレットと合わせて導入することで、外出先での記録の入力と共有、請求データへの連動など、機能を活用することができます。
また、それ以外にも「LINE WORKS」や「Slack」といったコミュニケーションアプリを用いて、コミュニケーション・情報共有の方法をデジタル化することで、柔軟な働き方や業務効率化の実現につながっています。
オンライン診療の専用システム・ビデオ通話ツール
オンライン診療のために専用のシステムやビデオ通話ツール等を導入している訪問看護ステーションもあります。
オンライン診療では、かかりつけ医と利用者がコミュニケーションをとる必要があるものの、中山間地域等で往診の機会が確保できない場合等に実施されています。オンライン診療を受けている利用者が、訪問看護を利用している場合、訪問看護師がデジタルツールを用いて診療補助を行うことがあります。
このような形態を、オンライン診療の中では「D to P with N(※)」と呼び、在宅医療における診療、診療補助の形として導入されています。
(※)D=Doctor(医師)、P=Patient(患者・利用者)、N=Nurse(看護師)
(参考:オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会 第3回 資料4|厚生労働省)
訪問看護でDXを取り入れるメリット
訪問看護にDXを取り入れることは、訪問看護の運営においてどのようなメリットがあるのでしょうか。今回は、4つのメリットをご紹介します。
訪問件数を増やせて売上がアップする
DXの取り組みは、訪問看護ステーションの売上アップにつながるというメリットがあります。
クラウド型の電子カルテとタブレットを導入することで、記録の作成・報告・共有にかかる時間を削減することができ、事業所への移動の回数を減らすことができます。この削減した時間は、別の訪問に充てることができるので、今までよりも1日あたりの訪問時間数・訪問回数の増加、つまり売上アップを目指すことができるようになります。
ケアの質向上につながる
DXの取り組みは、ステーションの看護師のケアの質向上につながるというメリットもあります。
DXの業務効率化によって時間を確保できると、研修に参加する機会もこれまで以上に確保できるでしょう。また、タブレットとオンライン会議システム等を導入することで、研修をオンラインで実施したり、研修動画を録画し保管したりすることができ、看護技術の向上や知識の習得にもつながっています。
職員の負担軽減につながる
DXを取り入れることで、看護師の業務負担を軽減することができます。
記録や請求業務による残業時間、責任者との物理的な距離が遠いことによる報告・連絡・相談の問題などが、職員にとってストレスになってしまうことがあります。
電子カルテ・請求ソフト、スマートフォン、タブレット、コミュニケーションアプリなどを導入して、業務プロセスの簡素化と情報共有の仕組み化・効率化によって、ストレスの軽減が期待でき、離職率の低下にもつながるでしょう。
緊急時・BCPの体制構築
DXの取り組みは、緊急時対応やBCPの体制構築にもメリットがあります。
利用者情報や記録などの情報をクラウドで保管することで、緊急時や災害時などに事業所を訪れなくても、「すぐに」利用者の情報にアクセスすることができます。
また、クラウドに保管している情報に複数の端末からアクセスできるので、端末が故障した際などにもサービスを提供する体制への影響は少なくなるでしょう。
訪問看護のDXの第一歩は「カイポケ訪問看護」の導入!
訪問看護のDXの第一歩は、クラウド型で請求機能がついた電子カルテを導入することで記録・請求情報をデジタルで管理し、業務効率化を目指すことがおすすめです。
『カイポケ訪問看護』は、クラウド型電子カルテで、レセプト請求の機能がついた訪問看護ステーション向けのソフトです。
利用料は月額25,000円で、利用者数が増えても月額料金が変わらないので多くのステーション経営者の方に「ずっと低価格で使えるのでありがたい」とご好評いただいております。
「DXに取り組みたいけど料金が高いと導入が難しい」「とりあえず試してみたい」とお考えの方は、ぜひ一度『カイポケ訪問看護』の無料体験をおためしください!
まとめ
訪問看護を取り巻く医療や介護の業界ではDXの推進が進んでいることや、訪問看護におけるDXの事例、メリットについてご紹介しました。
訪問看護ステーションがDXに取り組むことは、人手不足が加速する中で必須であると言えます。また、DXは訪問看護の運営においてさまざまなメリットがあるので業務改革を行いたい方は今回の事例を参考にしてみてください。
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