訪問看護におけるサービス提供体制強化加算とは?【2024年度改定対応】
更新日:
株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部
看護師や介護事業所の運営経験者、訪問看護の請求ソフトや電子カルテの導入支援経験者など、医療や介護、訪問看護の現場理解が深いメンバーが在籍。訪問看護ステーションの開業、経営、日々の看護業務に役立つ情報を発信します。
目次
ここでは、訪問看護における介護保険請求の「サービス提供体制強化加算」についてご紹介しています。
訪問看護ステーション等を運営する中で、加算・減算の内容を把握して、適切な介護保険請求を行うことは重要なことです。しっかりとチェックしておきましょう。
【介護保険】サービス提供体制強化加算とは?
介護保険におけるサービス提供体制強化加算とは、訪問看護ステーション等が提供するサービスの質を上げるための取り組みを行っていることを評価する加算です。
2024年度(令和6年度)の介護報酬改定では、訪問看護のサービス提供体制強化加算の単位数や算定要件に変更はありませんでした。
対象となる利用者の要介護(支援)度によって、介護と予防介護でのサービス提供体制強化加算がありますので、見ていきましょう。
種類および単位数
加算の種類 | (Ⅰ)の単位数 | (Ⅱ)の単位数 |
---|---|---|
指定訪問看護ステーションの場合 | 6単位/回 | 3単位/回 |
病院又は診療所の場合 | 6単位/回 | 3単位/回 |
定期巡回・随時対応訪問介護看護事業所と連携する場合 | 50単位/月 | 25単位/月 |
対象者
訪問看護の利用者
算定要件
サービス提供体制強化加算(Ⅰ)の算定要件
-
すべての看護師等に対して、個別の研修計画を作成し、計画に沿った研修を実施していること
-
利用者に関する情報の伝達、サービス提供の留意事項の伝達、看護師等の技術指導を目的とした会議をおおむね1ヵ月に1回以上開催し、開催状況の概要を記録していること
-
すべての看護師等に対して、事業主が費用を負担して、少なくても1年に1回以上健康診断等を実施していること
-
看護師等の総数のうち、勤続年数7年以上の者の占める割合が30%以上であること
サービス提供体制強化加算(Ⅱ)の算定要件
-
すべての看護師等に対して、個別の研修計画を作成し、計画に沿った研修を実施していること
-
利用者に関する情報の伝達、サービス提供の留意事項の伝達、看護師等の技術指導を目的とした会議をおおむね1ヵ月に1回以上開催し、開催状況の概要を記録していること
-
すべての看護師等に対して、事業主が費用を負担して、少なくても1年に1回以上健康診断等を実施していること
-
看護師等の総数のうち、勤続年数3年以上の者の占める割合が30%以上であること
留意点
-
算定要件にある研修計画は、資質向上のための研修内容の全体像と研修実施のための勤務体制の確保を定め、個別の具体的な研修の目標、内容、研修期間、実施時期等を定めた計画を策定しなくてはいけません。
-
算定要件にある会議とは、サービスの提供あたるすべての看護師等が参加するものでなくてはいけません。これは、全員が一堂に会する必要はなく、いくつかのグループに分けて行うことも認められています。
-
利用者に関する情報、サービス提供の留意事項とは、利用者のADLや意欲、利用者の主な訴えやサービス提供時の特段の要望、家族を含む環境、前回のサービス提供時の状況、その他サービスの提供にあたって必要な事項について、変化の動向を含めて記載していなければいけません。
-
勤続年数は、各月の前月末日時点における勤続年数となります。
-
職員の割合は、常勤換算によって算出した前年度(3月を除く)の平均で判定します。
-
前年度の実績が6月に満たない事業所の場合は、届出の属する月の前3月の看護師等の割合について、常勤換算方法により算出した平均値を使用します。この場合の看護師等の割合は、加算の届出を行った月以降も毎月、直近3月間の割合が所定の割合を超えている必要があります。
【介護予防】サービス提供体制強化加算とは?
種類および単位数
加算の種類 | (Ⅰ)の単位数 | (Ⅱ)の単位数 |
---|---|---|
指定訪問看護ステーションの場合 | 6単位/回 | 3単位/回 |
病院又は診療所の場合 | 6単位/回 | 3単位/回 |
対象者
介護予防訪問看護の利用者
算定要件
上記、訪問看護のサービス提供体制強化加算の算定要件と同じ
留意点
上記、訪問看護のサービス提供体制強化加算の留意点と同じ
最後に
この記事は、作成時点の最新資料・情報を基に作成しています。具体的な解釈や申請等については、その都度、最新情報をご確認いただき、自治体等へ申請・お問い合わせいただきますようお願い致します。
便利な資料をダウンロード
必要な機能がオールインワン