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【2024年度改定対応】遠隔死亡診断補助加算とは?

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この記事は2024年度介護報酬改定時の情報をもとに執筆しています

【2024年度改定対応】遠隔死亡診断補助加算とは?
とあるコメディカル トコル

とあるコメディカル トコル

理学療法士として病院、訪問看護ステーションで勤務した経験を活かし、訪問看護計画書や報告書等の帳票記載例を多数掲載する「とあるコメディカル」を運営。訪問看護の帳票記載例をまとめた冊子は累計販売2,500冊を突破している。

目次

2024年度の介護報酬改定では「遠隔死亡診断補助加算」が新設されました。この記事では、訪問看護における介護保険・医療保険の「遠隔死亡診断補助加算」の算定要件や留意点について解説します。

【介護保険】遠隔死亡診断補助加算とは

介護保険における遠隔死亡診断補助加算とは、利用者が離島などの地域に居住しており、死亡時に医師が訪問できない場合に、情報通信機器を用いた在宅での看取りに関する研修を受けた看護師が、主治医の指示に基づき、情報通信機器を用いて医師の死亡診断の補助を行った際に算定できる加算です。

【介護保険】遠隔死亡診断補助加算の種類と単位数

遠隔死亡診断補助加算(介護保険) 単位数
訪問看護 150単位/回

【介護保険】遠隔死亡診断補助加算の算定要件

  • 「情報通信機器を用いた在宅での看取りに係る研修」を修了した看護師が訪問すること

  • 「死亡診断加算」の対象利用者であること。利用者は、診療報酬上の「死亡診断加算」の対象、すなわち計画的かつ定期的な訪問診療を受けていることが条件となります。

  • 医師の訪問に時間がかかること。医師が正当な理由により利用者のもとへ到着し、対面で死亡診断を行うまでに12時間以上かかると見込まれる場合に該当します。

  • 対象となる地域であること。利用者が、厚生労働大臣が定める特定の地域(例 離島など、医師の訪問が難しい場所)に住んでいる必要があります。

  • ターミナルケア加算を算定していること

情報通信機器を用いた在宅での看取りに係る研修とは

厚生労働省「在宅看取りに関する研修事業」(平成 29~31 年度)及び「ICT を活用した在宅看取りに関する研修推進事業」(令和2年度~)により実施されている研修(情報通信機器を用いた在宅での看取りに係る研修)のことです。(参考:令和6年度介護報酬改定に関する Q&A(Vol.1)(令和6年3月15日)」の送付について問42|厚生労働省

(参考:令和6年度介護報酬改定における改定事項についてp.41|厚生労働省

遠隔死亡診断補助加算の留意点

利用者とそのご家族に対して、遠隔診断を行う同意を得ること

遠隔死亡診断補助加算は、ICT を用いて看取りを行うという繊細な手法である以上、利用者とご家族に対して「なぜ遠隔診断を行うのか」、さらに録画や写真撮影が必要になる理由などを丁寧に説明し、同意を得ることが不可欠です。

ICTを利用した死亡診断等の記録を作成すること

看護師は遠隔からの医師のリアルタイムの指示のもと、遺体の観察や写真撮影を行い、 ICTを利用した死亡診断等(様式2)|厚生労働省 の全項目を正確に記載する必要があります。スムーズな対応のためにも、あらかじめ様式2の内容を確認し、現場で即座に記載できるよう準備を整えておきましょう。

通信トラブルへの対策をする

遠隔診断は通信環境に大きく影響されます。回線が不安定で医師が十分に視認できなかった場合には加算を請求できません。通信トラブルへの備えとして、静止画を送付したり、音声通話と組み合わせるといった代替手順を準備し、その内容を家族にも事前に周知しておくと安心です。

【医療保険】遠隔死亡診断補助加算とは

医療保険における遠隔死亡診断補助加算は、2022年度の診療報酬改定で新設されました。介護保険と同様、在宅で療養中の患者が死亡した際に、訪問看護ステーションの看護師が、情報通信機器(ICT)を用いて医師による遠隔での死亡診断を補助した場合の評価として算定されます。

【医療保険】遠隔死亡診断補助加算の種類と算定料

遠隔死亡診断補助加算(医療保険) 算定料
訪問看護 1500円/回

遠隔死亡診断補助加算の算定要件

  • 「情報通信機器を用いた在宅での看取りに係る研修」を修了した看護師が訪問すること。厚生労働省「在宅看取りに関する研修事業」(平成 29~31 年度)及び「ICT を活用した在宅看取りに関する研修推進事業」(令和2年度~)により実施されている研修(情報通信機器を用いた在宅での看取りに係る研修)を終了した看護師が訪問する必要があります。

  • 「死亡診断加算」の対象利用者であること。利用者は、診療報酬上の「死亡診断加算」の対象、すなわち計画的かつ定期的な訪問診療を受けていることが条件となります。

  • 医師の訪問に時間がかかること。医師が正当な理由により利用者のもとへ到着し、対面で死亡診断を行うまでに12時間以上かかると見込まれる場合に該当します。

  • 対象となる地域であること。利用者が、厚生労働大臣が定める特定の地域(例:離島など、医師の訪問が難しい場所)に住んでいる必要があります。

  • 訪問看護ターミナルケア療養費を算定していること

(参考:令和6年度診療報酬改定の概要 【在宅(在宅医療、訪問看護)】p.39|厚生労働省

【医療保険】遠隔死亡診断補助加算の留意点

医療保険における遠隔死亡診断補助加算を算定する場合の留意点は、介護保険とほぼ同じです。ただし、医療保険では「訪問看護ターミナル療養費の算定」が要件となる点に注意が必要です。

まとめ

この記事は、作成時点の最新資料・情報を基に作成しています。具体的な解釈や申請等については、その都度、最新情報をご確認いただき、自治体等へ申請・お問い合わせいただきますようお願い致します。

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