訪問看護利用申込書の記入例と様式
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株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部
看護師や介護事業所の運営経験者、訪問看護の請求ソフトや電子カルテの導入支援経験者など、医療や介護、訪問看護の現場理解が深いメンバーが在籍。訪問看護ステーションの開業、経営、日々の看護業務に役立つ情報を発信します。
目次
訪問看護利用申込書は、訪問看護事業所が最初にご利用者の情報を得る時に使用するだけでなく、サービス提供後もご利用者の基本情報として、事業所内で大切に保管されるものになります。
ここでは、介護保険における訪問看護利用申込書の書き方について紹介します。ご一読いただき今後の事業所運営にお役立ていただけると幸いです。1.訪問看護の利用の流れ
訪問看護サービスを利用するには、基本的には下記の流れに沿って手続きを行なうことになります。なお、ご利用者の状態や主治医の判断、居宅介護支援事業所、訪問看護事業所によって、手続きの流れが下記とは若干異なることがありますので予めご了承ください。訪問看護の利用問い合わせは、医療機関または居宅会議支援事業所のケアマネジャーを経由して事業所へ連絡が入るケースが多いと思われます。
主治医からの訪問看護指示書
訪問看護サービスは、主治医の指示に基づいて看護師等が、療養上における世話や必要な診療の補助を行なうことになりますので、ご利用者の主治医に訪問看護指示書を作成していただく必要があります。訪問看護指示書が発行済みか確認をしましょう。
要介護認定
訪問看護サービスに関わらず介護保険のサービスを利用する場合は、要介護認定を受けていることが必要となります。要介護認定を受けていない場合は、お住まいの市町村窓口へ相談していただくようにお伝えしましょう。
ケアプランで訪問看護サービスを位置づけ
要介護認定を受けると、居宅介護支援事業所のケアマネジャーがご利用者に合わせたケアプランを作成します。訪問看護の利用をケアプランの中で位置づけていただくことが必要となります。また、ケアプラン作成の際、サービス担当者会議が行われますので、可能な限り参加しましょう。
ご利用者と契約を締結しサービス提供開始
利用希望者、相談者から訪問看護事業所に利用の申し込みがあります。利用申込書を使用するのはこの時になります。訪問看護事業所は、利用申込書による情報をもとにサービスの提供の可否を判断します。そして、訪問看護事業所において提供可能と判断された場合は、契約を締結しサービス提供が始まります。
2.訪問看護利用申込書の書き方
受付NO
訪問看護サービスの利用を希望する方は大変多いです。訪問看護事業所には日々利用を希望する方々からご連絡をいただくので、受付においてナンバーを振ることで管理がしやすくなります。
相談方法
利用申し込みにあたり、どのような相談の形態であったのかを記載します。
ご利用者の基本情報
利用希望者の基本情報を記載します。相談の形態によって、利用希望者や相談者、または訪問看護事業所の受付担当が記載する場合があります。
また、訪問看護サービスの利用が今回初めてなのか、過去に利用した経験があるのか、現在ほかの訪問看護事業所を利用中なのかによって、今後の対応が異なりますので確認しましょう。
ご利用者の基本情報を記載するにあたり、相談者と利用希望者が異なり利用希望者の基本情報を相談者が記載する場合は、利用希望者の個人情報を第三者へ提供することになります。そのため、記載前に相談者へ、利用希望者の同意をあらかじめ得ているのかを確認しましょう。
相談者の基本情報
相談者の基本情報を記載します。基本的には利用希望者かそのご家族等であることが多いですが、医療機関や居宅介護支援事業所、市町村等の行政機関の場合もあります。利用希望者と相談者との関係についても把握しましょう。
家族構成
利用希望者のご家族に関する基本情報です。記載のポイントとしては下記のとおりです。特記事項欄を活用して明確にしておきましょう。
①主たる介護者は誰になるのか。
②最近は成年後見制度を利用する方も多くなっています。親族後見人がいる場合は誰なのか。
③同様に第三者後見人(司法書士や弁護士等)がいる場合は、第三者後見人の氏名等も控えるようにしましょう。
申込(相談)内容の概要
どういう経緯で、訪問看護サービスの利用を希望することになったのかを記載します。
また、訪問看護サービスは、看護師等による療養上の世話を目的としているので医療的ケアがサービスの中心になります。そのため、利用希望者の健康状態や体調に影響する食事、水分、排泄状況などについての情報も、なるべく具体的に確認しましょう。これらの情報はサービス提供にあたり、必要な支援へ導くために重要な情報になります。訪問看護事業所として、ご利用者の状況がよく理解できていなければ支援の方向性が明確にできず、ご利用者に対し適切なサービスを提供できません。利用申込書で最も重要な項目になりますので、内容に疑問を感じたりした場合は確認し、詳細を把握しましょう。
要介護(要支援)認定/居宅サービス計画の作成
利用希望者の要支援または要介護の状態、および居宅サービス計画の作成状況について記載します。居宅サービス計画を居宅介護支援事業所で作成している場合は、事業所名も控えておきましょう。
保険給付対象サービスとしての提供の拒否/サービス提供困難時の対応
訪問看護事業所は利用申込書に基づき、利用希望者に対してのサービスの提供の可否を判断します。検討の結果、当該事業所でのサービス提供を行なえないと決定した場合は、その理由を利用希望者へ説明し、その後の対応(ほかの訪問看護事業所を紹介したなど)についても、利用申込書へ記載しましょう。
なお、提供の拒否の主な理由としては下記のとおりです。
同居家族へのサービス提供であるため
ほとんどありませんが、職員と同居しているご家族から訪問看護サービス利用の申し込みが行われることがあります。
保険給付の対象とならないサービス提供の申込であるため
利用希望者の申込内容が訪問看護サービスの範囲外である場合は、提供を拒否することができます。
正当な理由があるため
上記の1・2のサービス提供の拒否理由は制度上におけるものになりますが、この「正当な理由」によるものとは事業所都合によるもので、当該事業所の利用定員をすでに超えている場合や、事業所の人員配置上対応できない場合、利用希望者に対し適切なサービスを提供する事が困難な場合などです。
特記事項
利用希望者について、これまでの項目では述べることができなかった情報のうち、特に記載しておきた点については特記事項として記載をします。
訪問、アセスメント日時
ご利用者への訪問、またはアセスメントの日時について記載します。
3.まとめ
利用希望者に対し当該事業所で適切な支援が行なえるかどうかというのは、大変重要な要素になります。訪問看護利用申込書はただ単にご利用者の基本情報が記載されているだけの書類ではなく、利用申込書を活用する事で利用希望者の全体像を理解し、適切な支援へとつなげるためのものです。
この記事が訪問看護利用申込書の記入方法について知りたい方のお役に立てば幸いです。
帳票の雛形は、下記よりダウンロードが可能ですのでぜひご活用ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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