訪問看護の離職率はどのくらい?事業所の離職率を改善する打ち手とは?
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株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部
看護師や介護事業所の運営経験者、訪問看護の請求ソフトや電子カルテの導入支援経験者など、医療や介護、訪問看護の現場理解が深いメンバーが在籍。訪問看護ステーションの開業、経営、日々の看護業務に役立つ情報を発信します。
目次
病院やクリニック、訪問看護など、さまざまな現場で看護師の人手不足が課題となっています。人手不足を解消するためには「看護師の採用」と「看護師の離職防止」を進める必要があり、離職を防止するための指標として「離職率」が用いられています。
訪問看護の経営者や管理者の方は、ご自身のステーションの離職率を定期的に確認することで離職防止の取り組みの効果を確認し、打ち手を変えていくことが重要です。
そこで今回は、訪問看護ステーションの離職率の計算方法、離職理由、離職率を下げるための方法について詳しく解説していきます。
離職率の計算方法と現状
離職率とは、「当該年度の平均職員数のうち、当該年度の退職者数の割合」です。
離職率の計算式
離職率=当該年度の退職者数÷当該年度の平均職員数×100
平均職員数は、(年度初の在籍職員数+年度末の在籍職員数)÷2で算出します。
離職率の計算例
年度初の在籍職員数:10人
年度末の在籍職員数:8人
退職者数:1人
1÷9×100=11.1%という結果になるので、離職率は「11.1%」と計算できます。
訪問看護ステーションの離職率は病院離職率より高い?
神奈川県の「令和2年度看護職員就業実態調査」によると、訪問看護に従事する看護職の離職率は『18.5%』となっています。同調査における病院の離職率が13.3%であることと比較すると、訪問看護に従事する看護職の方が、離職率が高い傾向にあることが分かります。
(参考:令和2年度看護職員就業実態調査(訪問看護ステーション)/令和2年度看護職員就業実態調査(病院)|神奈川県)
訪問看護の離職理由
神奈川県の「令和2年度看護職員就業実態調査」によると、離職理由の回答の上位4つ(※)は以下でした。
順位 | 離職理由 | 割合 |
---|---|---|
1位 | 心身の不良 | 12.1% |
2位 | 勤務負担の重さ | 9.0% |
3位 | 職場の人間関係 | 8.4% |
4位 | 家族の健康・介護 | 8.2% |
※回答のうち「その他・不明」の36.6%は除いた結果。
この結果から、訪問看護ステーションの離職率を下げるためには、「職場の人間関係によるストレス」や「身体的負担による心身不良」に取り組むことが必要だと言えます。
訪問看護ステーションの離職率を下げるには?
ここからは、離職率を下げるために、主な離職理由である「心身の不良」、「勤務負担の多さ」、「職場の人間関係」の3つの課題への対策をご紹介していきます。
【心身の不良への対策】職員の不安や悩みを消化できる場を作る
職員の心身不良を未然に防ぐための対策の二つ目は、職員の不安や悩みを消化できる環境を作ることです!
離職理由にも挙がっている通り、人間関係のトラブルが発生することがあり、職員同士の人間関係でストレスを感じることがあります。また訪問業務は、基本的に単独で実施することが多いため、その場であらゆる状況把握や対応を一人で判断し行動しなければいけません。このような環境下で、責任感の強さから負担やストレスを感じてしまう場合があります。
職員間のトラブルを未然に防いだり、業務の精神的負担が過度にかかることを防ぐために、管理者・経営者が職員と面談する機会や職員同士が交流する機会を設けましょう。
職員同士が交流する機会は、例えば「こんな時はどうする?」というテーマで、業務に関する定期的な研修を行うことや、実際に経験した業務中の出来事を職員同士で共有し、適切な振り返りを行う機会を作ることはいかがでしょうか。
職員間のトラブルは、管理者・経営者でも解決することが難しいケースもありますので、そのようなケースでは、外部の専門家や相談窓口などに相談しながら慎重に対応を進めましょう。
【勤務負担の重さへの対策】残業を減らし職員の身体的ストレスを軽減する
勤務負担の重さへの対策として、職員の身体的負担を軽減することが大切です!
夏場や冬場の訪問では、自転車による移動は気温・天候によって職員にとって負担がかかります。また、重症度が高い利用者や医療必要度が高い利用者への訪問件数が多くなると、身体的負担が大きくなることがありますし、オンコール対応も職員によっては負担を感じることがあります。
このような負担を軽減するために、例えば、社用車を導入したり、負担が大きい業務が特定の職員に偏らないよう調整したり、サービス提供以外の業務負担を軽減する取り組みを行ったりすることを検討してみましょう。
サービス提供以外の業務負担を軽減するには、クラウド型の電子カルテ・請求ソフトとタブレット・スマートフォンを導入することもひとつの方法です。
【職場の人間関係への対策】人材のマネジメントスキルを経営者・管理者が習得する
職場の人間関係への対策として、管理者・経営者はマネジメントスキルを習得しましょう!
職員一人ひとりの「やりがいを感じていること」や「仕事や職場に望んでいること」は把握できていますか?職員の意向に沿って、適切な業務や責任を持たせること、そして状況に応じて調整・サポートすることは、管理者・経営者にとって重要な業務の一つです。
例えば、人材マネジメントを行うために、コーチングスキルを習得するのはいかがでしょうか。
人材マネジメントスキルが不足している状態で形式的に面談を行ったとしても、職員の意向を汲むことや、問題に対する適切なアプローチは難しいでしょう。コーチングスキルは、オンライン研修や書籍で学ぶことができますので、ご自身の状況に合わせて検討してみましょう。
まとめ
今回は、訪問看護ステーションの離職率の計算方法、離職理由、離職率を下げるための方法について解説しました。
「この訪問看護ステーションで働きたい!」と思って働いてくれている職員のみなさんの気持ちに寄り添い、やりがいをもって働けるような環境にすることが経営者・管理者の方々の重要な役割の一つです。
今回紹介した対策が、みなさんのお役に立てば幸いです。
『カイポケ訪問看護』は、クラウド型のソフトなので、訪問中など、場所を問わず看護記録の入力や閲覧が可能です。オンコール対応の際にタブレット上でデータを閲覧することができるので、夜間訪問も直行直帰が実現できます。
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