訪問看護の営業とは?主な営業先や営業準備・利用者獲得のコツを紹介!
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株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部
看護師や介護事業所の運営経験者、訪問看護の請求ソフトや電子カルテの導入支援経験者など、医療や介護、訪問看護の現場理解が深いメンバーが在籍。訪問看護ステーションの開業、経営、日々の看護業務に役立つ情報を発信します。
目次
いざ訪問看護ステーションを開業したものの、「利用者が思ったように集まらない」「営業の経験が無くて何を話せば良いか分からない」といったお悩みをお持ちで、「我流で営業しているのでコツを知りたい」という方は多いのではないでしょうか。訪問看護の利用者は病院と異なり、自ら診療に来てくれるわけではありません。ケアマネジャーや病院から紹介を受けて、利用の契約を結び、サービスの提供に繋がります。
このように訪問看護ステーションの利用者を獲得するためには、「営業」が必要になります。
この記事では、訪問看護ステーションの営業活動について、主な営業先や営業前の準備、利用者を獲得するコツや、新型コロナウイルス・インフルエンザなど感染症流行中の営業活動の注意点などを詳しく解説しています。是非この記事を最後まで読んで、明日からの営業活動に活かしましょう!
訪問看護ステーションの営業とは?
そもそも訪問看護ステーションの営業とは具体的にどういったものでしょうか?営業の目的と主な営業先を確認しましょう。
訪問看護の営業の目的
訪問看護ステーションの営業の目的は、もちろん「利用者の獲得」です。訪問看護の利用者は、ケアマネジャーや病院からの紹介で利用に結びつくことが圧倒的に多いです。そのため、居宅介護支援事業所のケアマネジャーや病院のソーシャルワーカーなどに自分自身と皆さんの訪問看護ステーションを覚えてもらうことが大切です。
今は利用者が十分にいるから大丈夫、とお思いの方にとっても、営業活動は必要です。季節の変わり目や冬場などは、亡くなったり入院したりして急に利用者が減ることがよくあります。訪問看護ステーションの経営において、「利用者の安定した確保」は収支の安定・利益の確保のためにとても大切なので、継続的な営業活動を行う必要があります。
営業先はどんなところ?主な営業先を5つご紹介
訪問看護ステーションの主な営業先には、次の5つがあります。
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居宅介護支援事業所
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地域包括支援センター
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病院の地域医療連携室・退院支援室
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クリニック・診療所・在宅療養支援診療所などの医療機関
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各都道府県の訪問看護協会
居宅介護支援事業所
居宅介護支援とは介護保険法にもとづき、要介護認定を受けた人が自宅で介護サービスなどを利用しながら生活できるよう支援する事業所のことです。居宅介護支援にはケアマネジャー(介護支援専門員)が在籍しています。ケアマネジャーは、要介護認定を受けた人に対して介護サービスの利用計画(ケアプラン)を作成します。訪問看護サービスを必要としている利用者に訪問看護ステーションを紹介し、利用者やその家族と相談の上、決定してケアプランに位置付けるのがケアマネジャーです。
地域包括支援センター
地域包括支援センターとは、市町村が設置する地域内の高齢者の健康や生活全般に関する相談窓口です。地域包括支援センターには、保健師、主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)、社会福祉士が在籍しています。地域の窓口として、高齢者本人やその家族の悩みを適切なサービスや機関への橋渡しをしています。地域包括支援センターで作成するプランの対象者は主に要支援の高齢者なので、営業先として重要視していない方もいるかもしれませんが、地域包括支援センターと関係を築くことで居宅介護支援事業所のケアマネジャーや病院の地域連携室と良い関係を築くことにも繋がるため大切な営業先のひとつです。
病院の地域医療連携室・退院支援室
地域医療連携室や退院支援室は、病院内にあり、退院後に患者が適切な医療・介護サービスを受けられるように調整する役割を担っています。病院は、地域の医療機関や介護・福祉施設と連携を図り、協力体制を充実させ、病院の持つ医療機能を効率的に提供していくことを目的として地域医療連携室や退院支援室を設置しています。
病院によって様々ですが、地域医療連携室や退院支援室には、医師や看護師、医療ソーシャルワーカー、理学療法士、作業療法士などの職種が在籍しています。退院後に訪問看護サービスを必要とする方は多いので、訪問看護ステーションにとって訪問看護指示書を発行する重要な営業先です。
クリニック・診療所・在宅療養支援診療所などの医療機関
クリニックや診療所などの医療機関も、病院と同様に訪問看護指示書を発行する重要な営業先のひとつです。クリニックや診療所の医師は、病院から退院したあとに、在宅療養を必要とする利用者の主治医となることが多いです。
また、病気や障害などで自宅療養中の患者で、病院への通院が困難な方に対して医師や看護師が定期的に訪問し、診療や看護を行う医療機関に、「在宅療養支援診療所」があります。緩和ケアの提供などを24時間365日体制で対応するため、訪問看護ステーションとの連携が求められているため、良好な関係性を構築しましょう。
各都道府県の訪問看護協会
訪問看護協会では、地域の訪問看護ステーション間の連携を図り、在宅医療の質の向上や推進を目的に情報交換がされています。様々なテーマで研修や講演会が実施されているため、訪問看護事業所の管理者や関係者が集まります。訪問看護協会が直接的な営業先というわけではありませんが、地域の訪問看護ステーションと接点を持つことで、病院やケアマネジャーの情報等、営業活動に役立つ情報も得ることができます。
営業先の選定について
ご紹介した5つの営業先はどれも重要ですが、優先順位を付けるのであれば、獲得したい利用者層に合わせた営業先を選ぶことも大切です。例えば介護保険の利用者を獲得したいのであれば、居宅介護支援事業所のケアマネジャーへの営業が最も有効でしょう。
また、訪問看護ステーションの特徴に合わせて病院内の営業先を検討しましょう。
オンコール対応や緩和ケアに強みがある訪問看護ステーションであれば、急性期病院や在宅療養支援診療所からの紹介が良いでしょうし、理学療法士や作業療法士が在籍している訪問看護ステーションであればリハビリの内容に合わせて整形外科や脳神経外科を持つ病院がよいでしょう。
このように自社の訪問看護ステーションの強みを営業活動に活かしましょう。
訪問看護ステーションの営業で準備すべきことは?
何も準備をせずにいきなり訪問に行っても伝えるべきことが伝えられず、利用者を紹介してもらうことは難しいでしょう。そのようなことの無い様に、営業先へ行く前に準備すべきことを確認しましょう。
営業前の準備は、主に次の7つがあります。全てを用意する必要はありませんが、必要だと感じたものはできるだけ準備して営業に臨みましょう。
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自社の訪問看護ステーションの強みやアピールポイントの整理
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名刺
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営業先に渡すチラシやパンフレット
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訪問看護ステーションのホームページ
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営業トークスクリプト
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営業先のリスト
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営業結果や進捗の管理シート
1.自社の訪問看護ステーションの強みやアピールポイントの整理
強みやアピールポイントの整理をして、近隣の訪問看護ステーションと差別化が図れるようにしましょう。営業ツールのチラシやパンフレットに載せる内容や、営業先で話すことも、強みやアピールポイントを整理しておくことでスムーズに言葉にできるでしょう。
例として、以下のような点が訪問看護ステーションの強みやアピールポイントになります。
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通常のサービス提供地域以外でも依頼を受けられる
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多くの看護職員、看護助手の配置があり、複数名での訪問依頼も受けられる
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精神看護や小児看護、緩和ケア等、特定の看護分野の専門看護師・認定看護師が在籍している
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緊急時に訪問できるオンコール体制を構築している
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土日や祝日も対応している
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利用者の家族へのケアも注力している
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訪問スケジュールの調整
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定期的、また必要に応じて情報共有を行う体制
2.名刺
氏名に加えてステーションの名称や住所、連絡先が書いてあることはもちろんですが、名刺にもチラシやパンフレットと同様に営業ツールの機能を持たせることはできます。精神科や小児科などの専門性のある強みや、整理したアピールポイントが分かりやすく文字やデザインであらわされていると、多くの訪問看護ステーションの中から自社を選んでもらいやすくなるでしょう。目立つために奇抜なものにする必要はありませんが、少し工夫した名刺を準備することも検討してみましょう。
3.営業先に渡すチラシやパンフレット
チラシやパンフレットには、口頭では伝えきれない情報を載せることができます。名刺と合わせて渡すことで、より相手の印象にも残りやすいでしょう。チラシやパンフレットには、訪問看護ステーションの強みやアピールポイントをできるだけ具体的に記載しましょう。訪問する看護師の雰囲気や提供サービスがイメージしやすいように、職員の顔写真を掲載することなども有効でしょう。
4.訪問看護ステーションのホームページ
訪問看護ステーションのホームページを持つことで、利用者の獲得が有利になります。ホームページがあると事業所やサービスを利用するイメージがわきやすく、利用者やその家族の安心にも繋がります。
また、ホームページはリアルタイムで最新の状況が更新しやすいというメリットがあります。特にケアマネジャーや医療ソーシャルワーカーが利用者を紹介したいと思った時に、最新の空き状況をホームページですぐに確認できれば、紹介の連絡をしやすいと思ってくれるでしょう。
それ以外にも、ホームページを持つことで営業活動以外にも求人広告や採用活動に活用できるというメリットがあります。詳しくは下記の記事にご紹介しています。
5.営業トークスクリプト
話すことが苦手な方は、事前にトークスクリプト(どのような内容・順序で話すのかを定めたマニュアル)を用意しイメージトレーニングするなど、練習しておくと安心でしょう。相手は忙しい中でこちらの話を聴いてくれている場合が多いので、話が長くなりすぎないようにするためにもトークスクリプトの用意は有効でしょう。新しく開業したことや利用者の受け入れ枠が広がったことなど、その日に伝えたいことを端的に話せるように、準備しましょう。
6.営業先のリスト
先にご紹介した主な営業先が地域には何件あるのか、営業先のリストを作成して把握しましょう。利用者の獲得目標の人数を設定し、達成するために必要な営業件数やスケジュールを決める営業計画を立てる上でも重要です。
また、リストを作成する際は、地図上にマッピングして落しこんでみるのも良いでしょう。未開拓のエリアを確認したり、利用者への訪問と訪問の間に営業へ行けるかどうか把握しやすくなります。
7.営業結果や進捗の管理シート
日々の業務が忙しい中で、いつ・どこ・誰が営業に行ったのか、営業先ではどんな職種の人と何を話したのか、前回はいつ訪問したのか等は、記録しておかないと忘れてしまいます。
また、利用者の獲得目標に対して営業活動は十分なのか、不足しているのか、進捗の把握を行うことも大切です。このような管理ができるように活動結果の一覧表や管理シートを作成し、定期的に更新して状況を把握できるようにしましょう。
訪問看護ステーションの営業で利用者を獲得するコツ
ここからは、営業活動で利用者を獲得するコツを4つご紹介します。
コツ①:まずは相手が知りたい情報を伝える
まずは、相手が知りたい情報を的確に伝えることを心掛けましょう。
居宅介護支援事業所・地域包括支援センターのケアマネジャー、医療機関の医療ソーシャルワーカーが知りたい情報として以下のような項目が例として挙げられます。
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サービス提供地域の範囲
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通常のサービス提供地域以外の依頼は受けられるか?
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どのような状態の利用者(患者)の依頼を受けられるのか?
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事業所の営業時間、休業日
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24時間連絡、必要に応じて訪問できる体制の有無
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現在の訪問可能な時間帯や曜日
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どのようなスタッフがサービスを提供しているのか?
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各種加算の算定の有無
また、外来の診療を行っているクリニックは訪問看護に馴染みがない場合もあります。そのような場合は訪問看護の利用までの流れや、訪問看護による効果も伝えると良いでしょう。
コツ②:営業に行く頻度
営業を受けるケアマネジャーや医療機関の医療ソーシャルワーカー、診療所の医師は業務で忙しい中、対応していただいていることを忘れてはいけません。営業では、相手の都合に配慮しながらも、情報を伝え、相手からの信頼を得る必要があります。初めて訪問に行き、営業の目的が挨拶の場合は、できるだけ短時間で済ませるとよいでしょう。
適切な頻度は、相手のリアクションや状況によって見極めましょう。感覚的なもののため迷うかもしれませんが、訪問した際の印象が良く、いい関係が築けそうであれば、目安として月に1度は顔をだすと良いでしょう。
コツ③:営業に行く時期
明確に営業を避けた方が良い時期が決まっているのは、居宅介護支援事業所のケアマネジャーです。ケアマネジャーは特に月末月初が、請求業務やケアプラン作成で多忙な時期です。その時期に配慮し、月末月初の訪問は避け、10日から25日までの間で訪問するとよいでしょう。
病院や医療機関は、ゴールデンウイークなどの連休前や年末年始は外来が増えたり退院する患者が増え、忙しい時期になります。退院後の支援として訪問看護の利用者を紹介してもらうには、連休や年末年始の約1か月前に営業に行くと良いでしょう。
コツ④:アポイントを取る
急な訪問では取り込み中で話ができないことや担当者が不在にしていることもあります。まずは営業先に電話で連絡をして、日時を調整し、話を聞いてもらう時間を確保しましょう。
電話以外にも、医療機関の主催するセミナーや講習会に足を運び、交流を深めることで営業のアポイントを取ることにも繋がることがあります。いきなり利用者を紹介してほしいという話をするためのアポイントを取るのではなく、信頼関係を築くためにアポイントを取ることを心掛けましょう。
新型コロナウイルス感染症等が流行中の営業はどうする?
新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの流行期間は、多くの人が感染リスクを警戒しています。特に医療機関や介護サービス事業所は、一般社会と比較してより警戒しています。そのような状況では、外部からの訪問に制限がかかっていることもありますので、営業に向かう相手先の状況に配慮が必要です。
急な訪問は避け、事前に連絡を入れて相手の状況を確認し、アポイントを取りましょう。直接の訪問が難しいと言われた場合は、Zoomなどのオンライン会議サービスを利用したり、メールやFAXで訪問看護ステーションの案内を送付するなどの方法がありますので、柔軟に対応しましょう。
訪問看護ステーションの営業にお困りなら、「カイポケ営業支援コンサルティング」で営業のプロに相談
営業に不安を感じている方や、利用者獲得の成果を確実に出したい方は、「カイポケ営業支援コンサルティング」の活用がおすすめです。
特に適切な営業を行わずに開業した場合、開業後の黒字化に必要な最低限の利用者数を確保できないまま事業所運営を進めることになり、気付いたら廃業へ追いやられてしまうケースも少なくありません。
「カイポケ営業支援コンサルティング」では、プロのコンサルタントがお客様の営業計画の立て方、営業先のリストアップや営業方法のアドバイスなど営業活動をサポートするサービスです。営業についてお悩みの方は、是非一度お気軽にお問い合わせください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。この記事では、訪問看護ステーションの営業先や必要な準備、コツなどをご紹介しました。訪問看護ステーションの経営において、営業活動による「利用者の安定した確保」は収益の確保・増加、そして収支の安定・利益の確保のためにとても大切です。
また、訪問看護はケアマネジャーや医療ソーシャルワーカーなど、地域の在宅医療関係者と良い関係を築き、利用者を紹介してもらって初めて提供できるサービスです。しっかりと自社の訪問看護ステーションの強みを自分の言葉で伝えたり、必要な事前準備を行いましょう。
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