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【2024年度介護報酬改定】ターミナルケア加算の見直しなど訪問看護にかかわる15の改定事項がまとまる

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【2024年度介護報酬改定】ターミナルケア加算の見直しなど訪問看護にかかわる15の改定事項がまとまる
株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部

株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部

看護師や介護事業所の運営経験者、訪問看護の請求ソフトや電子カルテの導入支援経験者など、医療や介護、訪問看護の現場理解が深いメンバーが在籍。訪問看護ステーションの開業、経営、日々の看護業務に役立つ情報を発信します。

目次

社保審・介護給付費分科会では12月19日に審議報告が行われ、来年度の介護報酬改定における全サービスの個別項目が決まりました。訪問看護については専門性の高い訪問看護の評価やターミナルケア加算の見直しなどが改定事項に上がっています。

介護報酬改定に向けた年内の動きはこれにて終息し、年明けには評価方法や算定要件など、より具体的な内容が明らかになる見通しです。

2024年度介護報酬改定ポイントは「地域包括ケアシステムの深化・推進」など4つの基本的視点

改定の基本方針としては、「地域包括ケアシステムの深化・推進」、「自立支援・重度化防止に向けた対応」、「良質なサービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり」、「制度の安定性・持続可能性の確保」など、4つの柱が示されました。

中でも「地域包括ケアシステムの深化・推進」は、高齢者人口がピークを迎える2040年を見据え、認知症高齢者や単身高齢者の増加による介護需要の増大・多様化に向けた重要なテーマとして掲げられているものであり、4つの柱の中でも多くの改定項目を盛り込んでいます。

令和6年度介護報酬改定に関する審議報告の概要
画像引用:令和6年度介護報酬改定に関する審議報告の概要,p1|厚生労働省

訪問看護ではターミナルケア加算の見直しなど15の改定事項が示された

訪問看護では、専門性の高い看護師が訪問看護を実施した場合の評価や、退院日当日の初回訪問の評価、そしてターミナルケア加算の見直しなどを含む15の改定事項が挙げられました。

それぞれご紹介します。

専門性の高い看護師による訪問看護の評価(介護予防を含む)

専門性の高い看護師が指定訪問看護・指定介護予防訪問看護の実施や計画的な管理を行うことに対する加算を新設します。

※介護予防訪問看護の場合も同様です。

円滑な在宅移行に向けた看護師による退院当日訪問の推進(介護予防を含む)

要介護者等の円滑な在宅移行を推進するため、看護師が退院日等の当日に初回訪問することを評価する区分を新設します。

※介護予防訪問看護の場合も同様です。

ターミナルケア加算の見直し

介護保険の訪問看護で提供するターミナルケアが医療保険で提供するケアと同様であることから、ターミナルケア加算の評価を見直します。

情報通信機器を用いた死亡診断の補助に関する評価

診療報酬における対応との整合性を図る観点から、離島等に居住する利用者の死亡診断に対してターミナルケア加算を算定し、看護師が情報通信機器を用いた死亡診断の補助を行った場合の評価を新設します。

業務継続計画未策定事業所に対する減算の導入(介護予防を含む)

居宅療養管理指導、特定福祉用具販売を除く全サービスにおいて、業務継続に向けた計画の策定の徹底を求める観点から感染症・災害のどちらかまたは両方の業務継続計画が未策定の場合、基本報酬が減算されます。

ただし訪問看護は、前回報酬改定で感染症の予防・まん延防止のための指針の整備が義務化から間もないこと、災害に関する具体的計画の策定が求められていないことから、令和7年度中は計画が未策定でも減算は適用されません。

※介護予防訪問看護の場合も同様です。

高齢者虐待防止の推進(介護予防を含む)

居宅療養管理指導、特定福祉用具販売を除く全サービスにおいて、利用者の人権の擁護、虐待の防止等をより推進する観点から、虐待の発生・再発防止の措置(対策委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者を定めること)が講じられていない場合に、基本報酬が減算されます。

※介護予防訪問看護の場合も同様です。

身体的拘束等の適正化の推進(介護予防を含む)

施設系サービス、居住系サービスを除く全サービスにおいて、身体的拘束等の更なる適正化を図る観点から、利用者の生命・身体保護上やむを得ない場合を除き、利用者の身体的拘束等が禁止されます。また、やむを得ず身体的拘束等を行う場合には、拘束状態、拘束時間、心身の状況、拘束理由を記録することが義務付けられます。

※介護予防訪問看護の場合も同様です。

訪問系サービス及び短期入所系サービスにおける口腔管理に係る連携 の強化(介護予防を含む)

歯科専門職の適切な口腔管理の実施につなげる観点から、歯科専門職と連携し、訪問看護で口腔衛生状態及び口腔機能の評価を実施し、利用者の同意の下の歯科医療機関・介護支援専門員への情報提供を評価する新たな加算を新設します。

※介護予防訪問看護の場合も同様です。

テレワークの取扱い(介護予防を含む)

人員配置基準等で必要数が定められた職種について、個人情報を適切に管理すること、利用者に支障が生じないこと等の条件を満たす場合、テレワークが可能になります。今後テレワークの取扱いの明確化や具体的な考え方が示されます。

※介護予防訪問看護の場合も同様です。

24時間対応体制の充実(介護予防を含む)

緊急時訪問看護加算の24時間対応体制を充実させる観点から、夜間に対応する看護師等の勤務環境に配慮した場合を評価する区分が新設されます。

※介護予防訪問看護の場合も同様です。

24時間対応のニーズに対する即応体制の確保(介護予防を含む)

24時間対応(オンコール)で、看護師等に速やかに連絡できる体制等、サービス提供体制が確保されている場合に、看護師等以外の職員も利用者や家族からの電話を受けられるよう見直しを行います。

※介護予防訪問看護の場合も同様です。

退院時共同指導の指導内容の提供方法の柔軟化 (介護予防を含む)

退院時共同指導加算で記載する指導内容を文書以外の方法で提供することが可能になります。

※介護予防訪問看護の場合も同様です。

理学療法士等による訪問看護の評価の見直し(介護予防を含む)

理学療法士等のサービス提供状況・サービス提供体制等の加算の算定状況に応じ、理学療法士等の訪問における基本報酬と12か月を超えた場合の減算割合の見直しを行います。

※介護予防訪問看護の場合も同様です。

特別地域加算、中山間地域等の小規模事業所加算及び中山間地域に居住する者へのサービス提供加算の対象地域の明確化(介護予防を含む)

過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法において、「過疎地域」とみなして同法の規定が適用されている地域等が、特別地域加算、中山間地域等の小規模事業所加算、中山間地域に居住する者へのサービス提供加算の算定対象地域に含まれることが明確化されます。

※介護予防訪問看護の場合も同様です。

特別地域加算の対象地域の見直し(介護予防を含む)

過疎地域その他の地域で、人口密度が希薄、交通が不便等の理由によりサービス の確保が著しく困難であると認められる地域であって、特別地域加算の対象として告示で定める対象地域の認定は、都道府県及び市町村から追加・除外の必要性等を聴取した上で見直しを行います。

※介護予防訪問看護の場合も同様です。

(参考:令和6年度介護報酬改定に関する審議報告(社保審・介護給付費分科会|厚生労働省)

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