【2024年度介護報酬改定】BCP未策定事業所へ減算を検討。訪問看護は令和8年度末まで対象外
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この記事は2023年11月時点の情報をもとに執筆しています
株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部
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目次
2024年度(令和6年)介護報酬改定に向けた検討を進めている社会保障審議会介護給付費分科会(第232回)では11月27日、「認知症への対応力強化」「感染症への対応力強化」「業務継続に向けた取組の強化等」「LIFE」「口腔・栄養」「その他(高齢者虐待の防止、送迎)」、以上6つのテーマに関する論点と対応案が示されました。
このうち、訪問看護に関係するものとしては、BCP未策定の事業所に対する減算の導入や身体拘束に関わる運営基準上の規定を新たに設けることなどが検討されています。
業務継続計画未策定事業所に対する減算の導入
業務継続に向けた取組強化に向けては以下2つの論点が示されています。
業務継続計画未策定事業所に対する減算の導入
非常災害対策における地域住民との連携の推進
2つ目は訪問系サービスは対象外ですので、1で示された提案について紹介します。
令和6年度改定での対応案
感染症若しくは自然災害のいずれか又は両方の業務継続計画が未策定の場合、基本報酬を減算する。
その際、一定の経過措置を設ける観点から、令和8年度末までの間に限り、感染症の予防及びまん延防止のための指針の整備及び非常災害に関する具体的計画の策定を行っている場合には減算を適用しないこととする。また、訪問系サービス及び居宅介護支援事業所については、令和3年度報酬改定において感染症の予防及びまん延防止のための指針の整備が義務付けられて間もないこと及び非常災害対策計画の策定が求められていないことを踏まえ、令和8年度末までの期間については、減算の対象としないこととする。さらに、居宅療養管理指導については、事業所のほとんどがみなし指定であることや、業務継続計画の策定状況に関する実態把握が不足していること等を踏まえ、令和5年度末までとされている義務化に係る経過措置期間を令和8年度末まで延長し、業務継続計画策定の実態把握や周知徹底などの取組を行うとともに、業務継続計画に関する取組の推進に向けて関係部局と連携を図ることとする。
業務継続計画の策定、研修の実施、訓練(シミュレーション)の実施等を継続的に把握し、支援に繋げるため、毎年調査を行い、都道府県等にも策定状況等を共有することとする。
(参考:資料3【業務継続に向けた取組の強化等】(改定の方向性),p8|厚生労働省)
なお、厚労省の説明によるとBCPの未策定事業所は令和6年4月以降、運営基準違反として指導対象となることは変わりません。令和9年度以降に未策定の場合は、これに加えて減算の対象にもなるという扱いとなります。
高齢者虐待の防止・身体的拘束等の適正化の推進
高齢者虐待の防止に向けては以下2つの論点が示されています。
高齢者虐待防止の推進
身体的拘束等の適正化の推進
論点1では、運営基準における高齢者虐待防止措置(虐待の発生又はその発生を防止するための委員会の設置、指針の整備、研修の実施、担当者を定めること)がとられていない場合は、基本報酬を減算することなどが検討されています。
論点2では以下の通り、運営基準上の新たな規定案が提示されました。
令和6年度改定での対応案
身体的拘束等の適正化を更に推進する観点から、既に身体的拘束等の原則禁止や記録に関する規定があるサービス種別(短期入所・多機能系サービス)について、1年間の経過措置を設けた上で身体的拘束等の適正化のための措置を義務づける。併せて、身体的拘束等を行う場合の記録や、身体的拘束等の適正化のための措置が行われていない場合に、基本報酬を減算する。
また、身体的拘束等の原則禁止や記録に関する規定のないサービス種別(訪問・通所系サービス等)について、身体的拘束等の原則禁止や記録に関する規定を運営基準に設ける。
(参考:その他【高齢者虐待の防止、送迎】(改定の方向性),p12|厚生労働省)
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