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訪問看護における高齢者虐待防止措置未実施減算とは?【2024年度改定対応】【介護保険】

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この記事は2024年度介護報酬改定時の情報をもとに執筆しています

訪問看護における高齢者虐待防止措置未実施減算とは?【2024年度改定対応】【介護保険】
とあるコメディカル トコル

とあるコメディカル トコル

理学療法士として病院、訪問看護ステーションで勤務した経験を活かし、訪問看護計画書や報告書等の帳票記載例を多数掲載する「とあるコメディカル」を運営。訪問看護の帳票記載例をまとめた冊子は累計販売2,500冊を突破している。

目次

訪問看護における高齢者虐待防止措置未実施減算とは?【2024年度改定対応】【介護保険】

ここでは、2024年度(令和6年度)介護報酬改定で新設された「高齢者虐待防止措置未実施減算」についてご紹介しています。

高齢者虐待防止措置未実施減算とは、利用者の人権の擁護、虐待の防止等をより推進する観点から、虐待の発生又はその再発を防止するための措置が講じられていない場合に適用される減算のことです。

訪問看護ステーションを運営する中で、報酬改定で新設された加算・減算の内容を把握して、適切な介護保険請求を行うことは重要です。しっかりとチェックしておきましょう。

【介護保険】高齢者虐待防止措置未実施減算とは

「高齢者虐待防止措置未実施減算」とは、高齢者虐待防止のために定められた措置を講じていない場合に適用される減算です。高齢者虐待が実際に発生したかどうかは関係なく、「必要な防止策を講じていない事業所」に対して、利用者全員について所定単位数から減算される仕組みとなっています。

参考:介護保険最新情報令和6年度介護報酬改定関連通知の 正誤等についてVol.1285 令和6年7月2日p.8|厚生労働省

対象サービスおよび単位数

減算率は1%(所定単位数の1/100)です。

この減算は利用者全員に対するものであり、例えば1回あたり500単位の場合であれば、5単位分が減算されることとなります(※実際の請求では1単位未満は四捨五入などの調整が入ります)。

対象サービス 単位数
訪問看護 所定単位数の-1/100

参考:令和6年度介護報酬改定の主な事項についてp.19|厚生労働省

減算の適用要件

高齢者虐待防止のために講じるべき措置として、以下の4つが求められています。これらのいずれか一つでも実施していない場合、減算が適用されます。

  • 高齢者虐待防止のための対策を検討する委員会を定期的に開催していること

  • 高齢者虐待防止のための指針を整備していること

  • 高齢者虐待防止のための研修を年1回以上実施していること

  • 高齢者虐待防止措置を適正に実施するための担当者を置いていること

留意点

上記4つの要件のいずれかでも実施していないことが判明した場合、速やかに市町村長へ改善計画を提出する必要があり、事実が生じた月から3か月後には改善計画に基づく改善状況を市町村長に報告しなければなりません。減算は、事実が生じた月の翌月から改善が認められる月まで続くため、早期の対応が求められます。

参考:介護保険最新情報令和6年度介護報酬改定関連通知の 正誤等についてVol.1285 令和6年7月2日p.8|厚生労働省

【介護予防】高齢者虐待防止措置未実施減算とは

対象サービスおよび単位数

対象サービス 単位数
介護予防訪問看護 所定単位数の-1/100

減算の適用要件

上記、介護保険の高齢者虐待防止措置未実施減算の適用要件と同じ

留意点

上記、介護保険の高齢者虐待防止措置未実施減算の留意点と同じ

高齢者虐待防止措置未実施減算の適用はいつから?

高齢者虐待防止措置未実施減算は、2024年6月1日から適用されています。

高齢者虐待防止措置未実施減算のQ&A

厚生労働省が公表しているQ&Aを参考に、高齢者虐待防止措置未実施減算に関するよくある質問とその回答を整理します。

令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和6年3月15日)の送付について問167,p.101|厚生労働省
Q.
高齢者虐待が実際に起きていない場合でも、「委員会の開催」「指針の整備」「研修の定期実施」「担当者の配置」、この4つの対策がすべて整っていないと、減算の対象になるのですか?
A.
はい、減算の対象になります。4つのうち1つでも未実施であれば、「高齢者虐待防止措置未実施減算」が適用されることに注意が必要です。
令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和6年3月15日)の送付について問168,p.101|厚生労働省
Q.
運営指導などで、行政機関が「高齢者虐待防止措置が講じられていない」事実を把握したとき、もしその事実が「発見した日の属する月」より過去だった場合、過去にさかのぼって減算を適用するのでしょうか?
A.
過去に遡っての減算適用はありません。行政機関が未実施の事実を把握した月が、「事実が生じた月」として取り扱われます。
令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(令和6年3月15日)の送付について問169,p.102|厚生労働省
Q.
高齢者虐待防止措置未実施減算では、「委員会の開催」「指針の整備」「研修の定期実施」「担当者の配置」、この4つすべてが実施されていない場合、「速やかに改善計画を都道府県知事(または市町村長)に提出し、事実が生じた月から3か月後に改善状況を報告。その上で、事実が生じた月の翌月から、改善が認められる月まで減算する」とされています。それならば、施設や事業所が改善計画を提出しない限り、減算を始められないのでしょうか?
A.
改善計画が提出されていない場合でも、事実が生じた月の翌月から減算を適用して構いません。減算は、施設・事業所が計画を提出し、そこから3か月後に改善状況を報告し、改善が認められるまで継続されます。
高齢者虐待防止措置未実施減算、身体拘束廃止未実施減算の取扱いに係るQ&Aの周知についてVol.1345令和7年1月20日 問1,p4|厚生労働省
Q.
高齢者虐待防止のための研修は年に何回以上実施しなければ、減算の対象となるのですか?
A.
研修の回数はサービスによって異なり、(介護予防)訪問看護は年に1回以上実施が必要です。研修を実施していない場合は、高齢者虐待防止措置未実施減算の対象となるため、必ず基準に沿って実施しましょう。

以下のサイト「とあるコメディカル」では、高齢者虐待防止のための研修で取り込むべき内容を分かりやすく解説しています。研修フォーマットをダウンロードすることもできるので、参考にすると良いでしょう

【2024年義務化】虐待防止の研修内容を完全解説!【フォーマットあり】 | とあるコメディカル

まとめ

2024年度(令和6年度)介護報酬改定で新設された「高齢者虐待防止措置未実施減算」について解説しました。

この記事は、作成時点の最新資料・情報を基に作成しています。具体的な解釈や申請等については、その都度、最新情報をご確認いただき、自治体等へ申請・お問い合わせいただきますようお願い致します。

ご紹介したような2024年度(令和6年度)介護報酬・診療報酬改定の内容をまとめて解説している資料のご用意があります。ぜひ保存用としてダウンロードください。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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