【2024年度診療報酬改定】中医協で訪問看護の24時間対応体制加算などを議論
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株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部
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目次
「24時間対応体制の確保について」、「集合住宅等における効率的な訪問看護等について」などがテーマに
2024年度診療報酬改定に向けた検討を進めている中央社会保険医療協議会(総会)では10月20日、訪問看護が議題となりました。
今回論点となったテーマは以下の8つです。
訪問看護における24時間対応体制の確保について
機能強化型訪問看護ステーションについて
集合住宅等における効率的な訪問看護等について
精神科訪問看護について
医療ニーズの高い利用者の退院支援について
周産期及び乳幼児への訪問看護について
オンライン請求開始に伴う訪問看護療養費明細書等の対応について
介護保険における訪問看護との制度上の差異について
このうち、「訪問看護における24時間対応体制の確保について」と、「集合住宅等における効率的な訪問看護等について」では、以下のような論点と課題が示されました。
「訪問看護における24時間対応体制の確保」における課題と論点
【課題】
(引用:在宅(その3)|中央社会保険医療協議会 総会第560回)
24時間対応体制加算において、営業日以外の日及び営業時間以外の時間の体制については、当該訪問看護ステーション以外の施設又は従事者を経由するような連絡相談体制等は認めていない。また、連絡相談を担当する者は、原則として、当該訪問看護ステーションの保健師又は看護師としている。
看護師が受ける電話相談は体調面や医療処置に関するものなど、緊急訪問を含め対応を要するものがある。一方、訪問日時の確認や時間の変更など、必ずしも即時的な対応を要さないと考えられるものも一定数存在している。
24時間対応体制に関する課題としては、「看護職員の精神的・身体的負担が大きい」、「夜間・休日対応できる看護職員が限られているため負担が偏る」ことが多く挙げられている。
24時間対応に係る連絡体制の負担軽減の取組をしているとした訪問看護ステーションは7割弱であり、「ICTの活用」や「夜間対応した翌日の勤務体制の調整」等が取り組まれている他、看護職員からの相談に対応できるサポート体制の構築が主であり、「勤務間インターバルをとる」といった取組は他の取組より少ない傾向にあった。
【論点】
(引用:在宅(その3)|中央社会保険医療協議会 総会第560回)
24時間対応による看護師への負担や、負担軽減に向けた訪問看護ステーションにおける取組を踏まえ、訪問看護における持続可能な24時間対応に係る連絡体制のあり方や負担軽減の取組を評価することについてどのように考えるか。
「集合住宅等における効率的な訪問看護等」における課題と論点
【課題】
(引用:在宅(その3)|中央社会保険医療協議会 総会第560回)
請求額が60万円以上のものが、全体の約1%強であるが存在している。
緊急訪問看護加算を算定している利用者は、月平均2.6日算定されているが、約1%の利用者では毎日算定されている。
介護保険の訪問看護では、訪問看護ステーションと同一建物、同一敷地内や隣接する敷地内の建物に居住する利用者等に対して訪問看護を提供する場合、訪問看護費から単位数が減算されているが、医療保険では、同一敷地内建物等に居住する利用者であっても、同一日に同一の建物に居住する3人以上に訪問看護を行わなければ訪問看護基本療養費(Ⅱ)等は算定しない。
【論点】
(引用:在宅(その3)|中央社会保険医療協議会 総会第560回)
一部の高額となっている訪問看護療養費における加算の算定状況等を踏まえ、緊急訪問看護加算の評価のあり方についてどのように考えるか。
同一敷地内建物等に居住する利用者に効率的に行われる訪問看護の評価のあり方についてどのように考えるか。
報酬改定・制度見直しなど
訪問看護の経営・運営にかかわる
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