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訪問看護の訪問時のマナーとは?気をつけるべきポイントを丁寧に解説

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訪問看護の訪問時のマナーとは?気をつけるべきポイントを丁寧に解説
株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部

株式会社エス・エム・エス カイポケ訪問看護マガジン編集部

看護師や介護事業所の運営経験者、訪問看護の請求ソフトや電子カルテの導入支援経験者など、医療や介護、訪問看護の現場理解が深いメンバーが在籍。訪問看護ステーションの開業、経営、日々の看護業務に役立つ情報を発信します。

目次

訪問看護は病棟やクリニックの看護業務と異なり、利用者の自宅に伺って看護を行うという特性上「利用者の日常に入る」という視点を忘れてはいけません。

今回の記事は、「訪問時に押さえておくべきマナーは何だろう?」、「利用者宅でやってはいけないことは何だろう?」という不安をお持ちの看護師の方向けに、訪問時におけるマナーを丁寧に解説します。

訪問時のマナー① 服装・身だしなみ

第一印象でパッと目につくことの中でも、服装や髪の毛といった身だしなみは特に重要な要素の一つです。「家に上げたくない」「この人で本当に大丈夫なの・・?」といった不安を利用者や家族から持たれないよう、配慮しましょう。

清潔感のある服装、化粧、整髪、香りを心掛ける

服装や化粧、髪は清潔感を意識しましょう。 服装の具体例としては、華美な色でない上下スクラブや、上がポロシャツ、下がチノパンといったものが無難です。

髪型は、病棟やクリニックで示されていた身だしなみのルールと同じように考えておくとよいでしょう。髪の毛が肩につく場合にはゴムで縛る、前髪が目にかかる場合にはピンで留めるなど、ケア中に邪魔にならないようにしましょう。 化粧も、服装と同様に華美にならない範囲にしましょう。

必ず靴下をはいていく

利用者宅に素足で上がると、不快に感じる利用者やご家族もいるので厳禁です。 また、床に落ちているものでケガをする可能性もあるため、安全のためにも靴下は必ず履いていきましょう。

名札はわかりやすい位置につける

訪問看護は担当を都度交代して利用者宅に伺うケースもあります。利用者やご家族が「〇〇さん」とすぐに声を掛けられるように、名札は胸元など見やすい位置につけておきましょう。

訪問時のマナー② 挨拶

挨拶は社会人として必須のマナーです。利用者やご家族との信頼関係を築くためにも重要な要素となるので、以下のポイントに注意しましょう。

相手の目を見て自己紹介を行う

挨拶と自己紹介は相手の目をみて行いましょう。 目を合わせないと、利用者やご家族は「私のことをみていない」と感じてしまうことがあります。その結果、「誠実な対応をしてもらえていない」や「この人にはお願いしたくない」という認識につながる可能性があります。 一人ひとりの利用者と真摯に向き合う姿勢があることを伝えるためにも、目をみて話すことを心がけましょう。

開始時と終了時に必ず挨拶を行う

訪問看護サービスを提供する上で、開始時や終了時に必ず利用者やご家族に挨拶をしましょう。
訪問看護では、

  • インターフォンに応答があったタイミング

  • 家、部屋に入るタイミング

  • 利用者・ご家族と会ったタイミング

  • ケアを開始するタイミング

  • ケアを終了したタイミング

  • 部屋、家を出るタイミング

などで、挨拶を行うことになります。

訪問時のマナー③ 言葉遣いと声のボリューム

言葉遣いや声のボリュームは、利用者やご家族の状況、関係性に応じて使い分けていると思いますが、失礼のないように注意しましょう。

敬語を使う

利用者やご家族には、基本的には敬語(丁寧語)でコミュニケーションをとりましょう。> 「~させていただきます」といった謙譲語でも問題はありませんが、過度に使うと聴き取りづらい可能性があるので注意しましょう。

わかりやすく相手に合わせて適切な声量・スピードで話す

利用者の理解力や聴力に合わせて、声量、話すスピード、聴こえる側に向かって話す、こちらの口元の動きが見えるように話すなど、適切な声量や話し方でコミュニケーションを取りましょう。 また、大きな声で話しかけられることに不安を感じる利用者もいますので注意しましょう。

訪問時のマナー④ 振る舞い

利用者宅での振る舞いについてもマナーに気をつけましょう。

靴をそろえる

脱いだ靴は、つま先を玄関の方に向けて揃え、隅の方に置きましょう。 また、可能であれば、出迎えてくれる家族に対して背中を向けないように体を横向きにして靴を並べるようにしましょう。

上着等は邪魔にならない場所に置く

上着などを置かせてもらう場合には、利用者やご家族に確認の上、玄関の近くなど邪魔にならない場所にまとめて置きましょう。

訪問看護の初回訪問時の流れ

初回訪問の際に、玄関に入ってから退出するまでどのような流れで利用者や家族と接するかについて説明します。
おおまかな流れは以下のようになっています。

  • 利用者宅のインターフォンを鳴らす

  • 挨拶をする

  • 名刺を渡す

  • 洗面所を借りて、手指を消毒する

  • 実施する内容を説明する

  • 器材等の準備をする

  • 訪問看護サービスを提供する

  • ケアで使用した器材等の片づけを行う

  • 洗面所を借りて、手指を消毒する

  • 持参した荷物をすべてまとめる

  • 帰りの挨拶をする

訪問看護ので利用者宅を訪問した際に気をつけること

身だしなみ挨拶など、正しいマナーについて説明をしてきましたが、ここでは「やってはいけないマナー」についてご紹介します。以下の内容は利用者の信用を失い、訪問看護ステーションの評判の低下につながりかねないため、気を付けるようにしましょう。

遅刻をしない

訪問看護では、利用者やご家族の希望する時間を確認して、訪問する予定時間を決めています。利用者やご家族も訪問スケジュールに合わせて時間を調整しているので、遅刻は厳禁です。サービスを提供する側として、時間通りにケアの提供を開始できるよう計画的に移動するようにしましょう。また、万が一、渋滞等で遅刻しそうな時は利用者宅と事業所に必ず連絡を入れましょう。

利用者宅の設備、消耗品を使う時は必ず声を掛けて許可をもらう

手洗いで洗面台を借りる際や、ケアに必要な備品、消耗品を使う際には勝手に使用してはいけません。必ず利用者やご家族に声を掛けて許可を取ってから使いましょう。 「勝手に使わないで!」や「こっちを先に使ってほしかった!」などのトラブルになる可能性もあります。

座る位置は下座

利用者宅で利用者や家族から話を聞く際にリビングのテーブルや、和室の客間などに通される場合もあるでしょう。この際には、扉を開けて手前側の椅子(下座)に座るようにしましょう。 扉から向かって奥の席は上座といい、目上の人や接待される側が座る場所とされています。 マナーとしては上座に座ることは好ましくないため、下座に座るよう心がけましょう。

提供された飲食物は受け取らない

訪問先で、「暑いからジュース飲んでくださいね」、「このお菓子よかったら食べてくださいね」と、利用者やご家族の厚意で飲み物やお菓子を出してもらうケースがあるかもしれません。このような場合は丁重に断り、受け取れない旨を伝えましょう。 厚意を受け取れないことは心苦しいかもしれませんが、受け取ってトラブルが起きた場合に困るのは事業所と皆さん自身です。失礼がないように丁寧に断るようにしましょう。

まとめ

訪問看護の看護師が利用者宅を訪問する際に気を付けるべきマナーを解説しました。服装や身だしなみ、挨拶、振る舞いなどは、利用者やご家族からの評判にもつながっていますので、注意してサービスの提供にあたりましょう。

マナーを守って利用者と接することを心掛ければ、きっと利用者やご家族にも伝わり、信頼関係を築けることでしょう。 この記事が訪問看護を行う看護師の方々にお役立ていただければ幸いです。

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